あらた先生
あらた先生が解説します!

 実務上は、キャッシュフロー計算書を作成したり、財務分析したりするのに使う概念ですね。公認会計士試験や税理士試験(簿記論・財務諸表論)でも「仕訳の推定」や「勘定の復元」、「順進推定」、「逆進推定」として頻繁に出題されます。日商簿記でも1級なら稀に出題されています。
 キャッシュ・イン・フロー(CIF)とキャシュ・アウト・フロー(COF)、あれ?借方?貸方?、仕訳はどうなる?、、、と、頭がごちゃごちゃになって、貸借逆に書いて、計算ミス(ケアレスミス)しそうですよね?
 CIFはその名の通り「資金の流入」で、COFはその逆の「資金の流出」です。「キャッシュ=お金」、「フロー=流れ」です。単純に、以下のように暗記しておくと、よいでしょう。

 C「I」F → 「イン」・「お金」がはいってくる → お金以外の資産の減少・負債の増加 → 仕訳では「借方」にお金くる

 C「O」F → 「アウト」・「お金」がでていく → お金以外の資産の増加・負債の減少 → 仕訳では「貸方」にお金がくる

もしかしたら、まだごちゃごちゃするかもしれません。それならば、COFの負債減少にだけ着目して、これだけ暗記しましょう。

「借金を返したら、お金が減る」=「COF・負債減少」

なわけですから、他のはその逆の関係で導けばどうでしょう。
 よって、借金が増えたら、借金が減ったCOFの逆ですから、CIFだなとなるわけです。
 あるいは、資産が減ったら、借金が減ったCOFの逆ですから、CIFなわけです。
 そして、資産が増えたら、借金が減ったCOFの逆の逆ですから、COFなのです。
 こんな感じで、1個覚えておけば、導けますね。公認会計士や税理士試験、FPの試験で出ても導けますし、反復練習で知らないうちに暗記できますよ。

 

<例題>
 「当社の借入金は、期首100千円であったが、期末には80千円であった。」さて、C/Fはどうなるでしょう?

答) △20千円

(お金が20千円でていった!)

アプローチ)
負債が減っていますね。上記解説でいくと、「借金返したらお金が減った」ですから、お金の流出・COF(貸方)であることがわかります。
なお、キャッシュフロー計算書では、マイナス表記(-または△表記)することになります。

「仮の仕訳をきる」方法も良いかもしれません。

 お金以外の資産の増加額(↑) / COF

 負債の減少額(↓) / COF

 CIF / お金以外の資産の減少額(↓)

 CIF / 負債の増加額(↑)

 


<練習問題>
 それでは、いつでも実践できるよう練習問題を解いてみましょう。メモリー付きの電卓とメモ紙があるとより良いでしょう。

以下問いに対するキャッシュフロー(単位:千円。以下省略。)をお答え下さい。なお、キャッシュインフローとなるときは+(プラス)、キャッシュアウトフローとなるときは△(マイナス)をつけて下さい。

 


(レベル1)
前期末残高) 支払手形1,500、買掛金 1,200
当期末残高) 支払手形1,700、買掛金 1,100

問)当該年度のキャッシュフロー計算書(間接法)の「仕入債務の増減」に記載すべきキャッシュフローは?

答)
+100

アプローチ)
1:仕入債務全体として当期末残高合計をとります(=2,800)。これをメモリープラス(M+)しましょう。
2:次に前期末合計をとります(=2,700)。 これをメモリーマイナス(M-)しましょう。
3:メモリーリコール(MRC)すると差し引きで+100ということがわかります。これは、つまり、仕入債務が100増えた事を意味します。よって、、、
4:「仮の仕訳」をきります。
  CIF 100 / 仕入債務(負債)の増加 100
5:これでキャッシュインフロー(+100)ということがわかりました。

 

(レベル2)
 当社は当期首に2年間の所有権移転ファイナンス・リース契約を結び、同日よりその機械装置を事業の用に供している。なお、期首において以下適正な仕訳をしている。
リース資産 18,594 /リース債務 18,594
貸手側の計算利子率が年利 5% であることが、借手である当社にも明らかとされている。また、リース料 10,000 の支払は毎期末に行っている。なお、リース料総額は 20,000 である。
当社の保有する同型の機械装置の耐用年数は 2年 であり、見積価額はゼロとしている。
以下、キャッシュフローを求めて下さい。(計算の結果、千円未満になる場合は四捨五入して下さい)
問1)当期の「支払利息」に係るキャッシュフローは?
問2)当期の「リース債務」に係るキャッシュフローは?
問3)当期の「リース資産」に係るキャッシュフローは?
問4)当期の「減価償却」に係るキャッシュフローは?

答)
問1)△930
問2)△9,070
問3)0
問4)0

 


アプローチ)
問1、問2)
1:まず、期首リース債務(18,594)に利息(5%)を掛け、支払利息額(930)を求めます。リース料 10,000から、仕訳の貸方の合計は 10,000 となります。よって、差し引き残額(9,070)がリース債務の減少額となります。
2:では、「仮の仕訳」をきりましょう。このとき、「単純取引に分解」することがポイントです。伝票会計でいうところの「振替伝票」に書くときのやり方です。
 支払利息 930 / COF 930
リース債務 9,070 /COF 9,070
よって、キャッシュアウトフローとわかります。
問3)
1:問題のところの仕訳から、相手勘定がキャッシュ(現金・預金など)ではないことがわかります。
リース資産 18,594 /リース債務 18,594
2:減価償却が間接法であれ、直接法であれ、「リース資産」の相手勘定にキャッシュがでてきません。よって、当期はキャッシュフローゼロとなります。
問4)
1:減価償却の仕訳をきると、相手勘定がキャッシュ(現金・預金など)ではないことがわかります。
減価償却費 9,297 /減価償却累計額 9,297
2:減価償却が間接法であれ、直接法であれ、「減価償却費」の相手勘定にキャッシュがでてきません。よって、当期はキャッシュフローゼロとなります。

【ちなみに】
問3のフォロー) 会社がなぜ「リース契約」するのかもわかりますね。
一括購入(取得)したとすると当期のキャッシュアウトフローは 18,594 となるはずです。仕訳にするなら、、
機械装置 18,594 /COF 18,594
キャッシュフロー計算書の「投資活動によるキャッシュフロー」として一気に大型投資(△18,594)されたように反映されます。
一方、上記リースを採用すると、「営業活動によるキャッシュフロー」に△930、「財務活動によるキャッシュフロー」に△9,070と分散させた上、一会計期間の負担を下げる事ができます。
経営者の成績は、一会計期間の利益の最大化の追求のみならず、キャッシュフローが結果的に+であることが株主から求められるます。よって、リースで導入できるものなら、リース契約したいことがわかりますね。
もっとも、ファイナンス・リース契約は借金するようなものですから、全体期間(2年間)では、利息相当額(1,406)分、損はしますよ。これも踏まえると、過年度に取得済みの他の投資物件の大量売却などあれば、取得(△18,594)もよいかもしれませんね。当年度の全体的な取引次第でバランスを考えると良いでしょう。

問4のフォロー) 現金の支出を伴わない、費用化として、経営者からは重宝がられます。なんせ、お金がでていかない上に、法人税・所得税のような所得による税金を低くする効果があるからです。
 他にも、「ストック・オプション会計」の「株主報酬費用」、「資産除去債務会計」の「利息費用」が該当してきます。

 
 いかがでしょう?わかりやすくなったでしょうか。色々工夫できます。これが理解できると、仕訳復元問題、勘定復元問題や順進推定・逆進推定問題にも対応しやすくなりますね。

 

 

 

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