あらた先生
あらた先生が解説します!

○ 不動産の評価価格がいくつかあって、よくわからないのですが?なにがどう違うの?

同一の不動産でも、指標となる価格は主に4つあり、「一物四価(いちぶつよんか)」とも言われ、土地取引の指標や、税金計算上の資産評価額である課税標準として利用されています。

1.公示価格 : 土地の売買取引の指標として利用されます。毎年1月1日を基準として、3月下旬に国土交通省が公表します。市町村役場でだれでも閲覧できますし、日刊新聞などでも記載されたりしています。

2.基準地標準価格 : 公示価格のフォローとして利用されます。毎年7月1日を基準として、9月下旬に都道府県が公表します。所轄の市町村役場でだれでも閲覧できます。

3.相続税路線価などによる財産評価額 : 相続税・贈与税の課税標準で、公示価格の約8割の額です。毎年1月1日を基準として、7月上旬に国税庁が相続税路線価を公表します。所轄税務署でだれでも閲覧できますし、日刊新聞などでも記載されたりしています。財産評価は税理士が行い、土地や建物の価格を算定します。

4.固定資産税路線価による固定資産税評価額 : 固定資産税・登録免許税・不動産取得税の課税標準で、公示価格の約7割の額です。3年ごとに1月1日に再評価され、4月頃に市町村が価格を決定します。市町村役場で物件所有者がその方の物件の縦覧をすることができますが、他人の物件のは閲覧できません。

これら4つが不動産の「時価」とされており、ケースバイケースで適切な価格を用いて、取引や判断がされています。

*実際の取引は、上記一物四価を目安とはしますが、「実勢価格」つまり購買市場の時価で行われたり、また、身内や友人への低額譲渡で行われる等、土地の評価は実に様々です。デューデリジェンスといって様々な角度から土地を再評価することが大事で、不動産鑑定士による評価なども有効でしょう。

 

○ 売却取引前の不動産の時価(売価の目安)の求め方は?

 実際に2者間で収受することとした結果の金額が、上記「実勢価格」となりますが、あくまでも「取引後」のものですよね。みなさんが、売る前に必ず考えるであろう「私の土地や建物を売るとしたら、いったい、いくらになるの?」という疑問の答えにはなりませんよね。では、どうしたらよいものでしょうか?売ったら、どれくらいになるのでしょうか?目安があるのでしょうか?

 ありますよ。上記「一物4価」を利用した売価の算定の目安があります。

1.近隣の公示価格・基準値標準価格を面積で案分するなどして参考値にする。

*図書館の新聞などから元データを探したりする手間がありますね。土地の単価を算出して、みなさんの土地の地積を乗じると価格の目安が出ますね。

2.相続税路線価などによる財産評価額を0.8で割返して参考値にする。

*実際に売る前に税理士に事前の相談をすると良いでしょう。売価の目安も出ますし、相続税・贈与税・譲渡所得課税がからむ場合は、税金の影響も知った上で売る方が良いので、はやめ早めに税理士への相談が大切です。FPが取り次ぐことも可能ですよ。

3.固定資産税評価額を0.7で割返して参考値にする。

*皆さんが、市役所などの役場から、毎年4月に受け取る「固定資産税評価明細書」に記載されている固定資産税評価額を単に0.7で割返すだけですから、電卓を入れるだけで、すぐにご自身で算出できますね!無料ですぐにできる最も簡便な方法です。プロである税理士もこの金額を参考値にしたりしますよ。

4.DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法という方法もあります。

*不動産の鑑定業者に依頼すると、不動産から将来得られるであろう利益を、国債の利率を参考にした一定の割引率によって、「現在価値」に割り返した「ビジネス」上の損益も加味した不動産の「価格」を算定することも可能かと思います。ご想像通り、けっこうな手数料が掛かるかとおもいます。

5.折衷法

上記1~4を平均したり、総合的に勘案したり、色々忖度したり(?)して、価格を求める方法もあります。

結局は、目安の価格も1つではないということですね!

 そして、実際の売却価格については、これら複数の価格を目安にして、2者、3者で価格交渉して決めるイメージですよね。あとは交渉次第なので、結局、ある程度価格の上がり下がりがある感じかと思います。落としどころ、着地点もみなさんの交渉力次第です。

 売価を上げすぎても税金もアップしたりもしますので、ある程度税制対策や価格のバランスも大事ですので、やはり、最低でも税理士には事前相談した方がいいですね。

  

○ 不動産のチラシに「駅徒歩0分。完璧な物件。絶対にお得。」とありましたが?

最近あまり見かけなくなりましたが、表示違反ですので、怪しい不動産会社・宅建かもしれませんので、取引は避けた方が無難です。

 違反のポイントは、使ってはいけないNGワードが3つでてきたからです。「0分」「完璧」「絶対」は使ってはいけないとされています。過剰な表現で、契約に際し判断を誤る要因になりかねないからでしょうし、不動産業界の信頼にも関わるからでしょう。なお、「徒歩1分」は80mを意味します。「徒歩5分」なら駅まで400mということですが、遠いか近いか判断するのはあくまでお客様自身ですので、1分=80mを頭にいれてチラシを読む必要があります。

 なお、「瑕疵(かし)」という内容の記載があったら、よく読んで、絶対に契約前に宅建に尋ねて下さい。瑕疵の具体的な内容や理由は様々ですが、契約後、泣く泣く損失覚悟で不動産を手放す要因にもなりかねないからです。

チラシを見て興味は出て、現場見学会に行ったとします。その時、建ぺい率など色んな数値が並んで内容がよくわからないということでしたら、担当の宅建の方に聞くと良いでしょう。宅建は物件の重要事項を全て説明し、瑕疵などももれなく伝える義務があります。他にもわからないこと、おかしいなと思った事は、忘れないうちに現場ですかさず聞きましょう

 

○ 家を建てるのに本契約をしましたが、家庭の都合で契約を解除したいのですが?

家を建てる、リフォームするなどの場合、契約の際に建築業者に対して契約金(手付金ともいいます)を支払います。
 この契約金は解約手付として扱われます。本工事が始まるまでに買い手であるお客様から契約解除をしたなら、同情に値するような事情であったとしても理由に関わらず、その支払った手付金全額を放棄、つまり諦めることでのみ契約解除となります。
 これは損には違いませんが、お金にかえられない事情もあるでしょう。例えば、建築中に家族に病気やケガ、あるいは不幸などがあった場合でしょう。解除はその家庭の事情の程度次第かと思います。事情は様々ですが、手付放棄のリスクになりそうなことは、契約前にリストアップしておくとベストでしょう。
 なお、「契約」ですから、契約時に個別具体的な「特約」をつけることも可能です。本来、買主負担ですが、建築中の震災や火災などでの損壊に限って売り主負担とするよう特約をつけるなどです。これも契約する前に検討をしておく必要があるものでしょう。弁護士・司法書士との相談や契約時の同席も有効です。

売り手である建築業者等から解除するなら、「手付2倍」といって手付金の2倍の金額が買い手に支払われます。この場合、手付金相当分(2倍じゃなく、手付金そのものの金額)が所得税の一時所得の計算上、収入金額に計上されます。

 

○ 家を作ってもらっている最中に震災がきて、損壊してしましました。どうしたら?

 民法によると自然災害など過失のないものでも、契約後の損失は買主が危険負担することとなっております。

 しかし、危険負担は契約時に特約を結ぶことで、その権利移転の時期を変えることができます。例えば、危険負担者が建築会社・不動産会社から買主に移る時点を、家の完成・引渡しの時点とする、または、買主名義で登記した時点とするなどです。契約時点でしっかり特約を組んでおくことが大切です。心配でしたら、建築会社側についている司法書士にも立ち会ってもらうと良いかもしれません。

 もし、特約が適用できない場合は、激甚災害に伴う国家補償を受けるというのはどうでしょう?また、所得税の雑損控除及び雑損失の繰越控除として、少しでも所得税から還付を受ける事を考えましょう。

激甚災害の国家補償の給付計画がいまいち不透明ですので、政府の動きを注視する必要があります。また、日本赤十字に集まった寄付金の給付も完全には行きわたってはいません。これも注視しましょう。

 

○ 家を建てて5年。床が抜け、雨漏りもするのですが、どうしたら?

新築住宅に関し、構造耐力上主要な部分、または、雨水の浸入を防止する部分に重要な欠陥が発見されたら瑕疵(かし)として、完成引き渡しから10年間は瑕疵担保責任により損害を賠償してもらえます。

 なお、上記以外の瑕疵でも1年以内に発見したなら、損害賠償の対象となります。

 DIY(日曜大工)で自分で直そうとすると、認められなくなりますので、ありのままを売り主に見せましょう。しらをきられる気がすると心配な方は、弁護士や司法書士のような法律家をたてると確実かと思います。

上記の瑕疵担保責任ような救済措置はありますが、マイホームを建てる・リフォームするときは、建築前後とその最中の写真をくまなく撮り、また、工事中もちょくちょく立ち会いましょう。建築業界も厳しい経営環境にさらされていますから、極力完成引き渡しまでに瑕疵になりそうな欠陥を全員で探してあげた方がよいです。お客様自身の家の内部構造の理解ができ、そして、なによりいい家づくりに繋がるからです。ジュースの差し入れと多少の談話も大工さんのテンションを上げるらしいです。

 

○ 家を建てたのですが、なにかすることはありますか?

 完成後4日以内に完了検査申請をします。1級建築士などの建築主事が検査確認し、検査済証を交付してくれますので、お客様がチェックした後、市町村役場に提出します。固定資産税はこの時の図面(特に床面積)によっているので、しっかりチェックする必要があります。

 法務局への不動産登記も重要です。土地と家屋の所有権をとらないと第3者に対する対抗力がなく、係争になった時に弱いからです。

 住み始めから2カ月位すると、市町村役場の固定資産税課の担当者がアポ付で訪問してきます。図面と建物内外を簡単にチェックしにきますので、対応しましょう。特に座って話するようなことはないので、茶菓子を用意する必要はありません。固定資産税がどれくらいになるか立会中に聞いてみるといいかもしれません。ちなみに固定資産税は賦課課税方式といって、市町村が3年に一度計算して、4期に分けて納税通知書を送ってきます。新築後数年後は税額2分の1などの優遇税制が適用されてます。ただ、自分や税理士が厳密に固定資産税の計算をしておかしいと思ったら、市町村役場の固定資産税課に行き、固定資産台帳を閲覧しましょう。

 あと、家に住んでいて重要な欠陥がないかどうかも気にしていて下さい。床が抜ける、雨漏りするなどは10年間、それら以外は1年間瑕疵担保責任の対象で、損害賠償してもらえるからです。

上記の瑕疵担保責任ような救済措置はありますが、マイホームを建てる・リフォームするときは、建築前後とその最中の写真をくまなく撮り、また、工事中もちょくちょく立ち会いましょう。建築業界も厳しい経営環境にさらされていますから、極力完成引き渡しまでに瑕疵になりそうな欠陥を全員で探してあげた方がよいですし、お客様自身の家の内部構造の理解ができ、そして、なによりいい家づくりに繋がるからです。ジュースの差し入れと多少の談話も大工さんのテンションを上げるらしいです。

 

○ マンション1室買うか、借りるかで迷ってますが、どうしたものでしょう?

マンション1室に住むことだけに着目すると似たようなものにも思えます。しかし、法律的・会計的・税金面的・管理面的には全くの別物です。所有権の有無がその要因です。

 ●マンションを買うということ
 法律的には、「区分所有法(くぶんしょゆうほう)」の管轄となり、購入者は区分所有者となります。「分譲(ぶんじょう)」というのはこの意味でしょう。マンションのうち専有面積(マンション一室分)を専有(せんゆう)し、これに応じて計算上の敷地利用権も所有することになります。なお、分離処分の禁止というのがあり、敷地利用権だけ売却するようなことはできません。売却するなら専有部分と敷地利用権のセットである区分所有権で売買されます。なお、区分所有権も立派な不動産上の権利ですから、登記もします。

会計的(所得税)には所有権があることにより売買取引です。売り手側で個人で不動産業している人は事業所得の区分で売り上げ計上、不動産業以外の人は譲渡所得の分短・分長として扱います。買い手側は資産計上(事務所なら、貸借対照表を作るため)します。もちろん居住用なら会計・所得税の領域外です。
 税金面では、固定資産税を直接負担しますので、購入者に年4回納税通知書が届きます。マンションとその敷地全体にかかる税額の専有面積で按分した金額が目安でしょう。なお、賦課課税方式で市町村が計算しますから申告は不要です。
 管理面では、マンション規約の改定や重要な決議などのため集会があります。建て替えに5分の4以上の議決権が必要など、決議がされます。

●マンションを借りるということ
 法律的には「借家権(しゃっかけん)」の管轄となります。文字通り、「借りる」だけなので、所有権は当然ありません。但し、貸し手側の一方的な強制退居要求などから保護するため設けられてます。これにより、致命的な老朽化などの退居の正当な理由と6カ月間の猶予が借り手に与えられます。また、借家権も登記はできます。新たに入居しようとする者への対抗力とすることもできるのでしょうが、あまり登記した話は聞きません。あと、敷金・礼金などが業界の風習となってますが、法律で強要されているものではなく、契約者間で金額や返金時期などを決めるものですので、実は貸主と交渉の余地が十分にあるものだったりします。造作買取請求権というものもあります。

会計的(所得税)には、賃貸借取引ですから、貸し手は不動産所得の総収入金額へ算入し、借り手は事務所なら事業所得の必要経費に計上します。居住用なら会計・所得税の領域外です。
 税金面では、固定資産税は貸主に納税通知書がいきますので、直接支払いはありません。但し、毎月の賃料は固定資産税相当分を加味しているはずですので、実質的には負担はしているといえます。
 管理面では、集会はありませんが、貸主との直接交渉となります。強制退去や不当な賃料値上げなどされそうになったら、法務局への供託するのも手ですので参考まで。

 

○ 住んでいる分譲マンションに、建て替えのうわさがあるのですが?

井戸端会議やうわさ、管理責任者の一存では、マンション管理上の重要な決議はできませんので、まだ根回しの段階なのでしょうね。

 集会召集、マンション規約の改定や重要な決議などには一定の要件が必要です。それらのための決議要件を記載します。 ・集会の召集 : 議決権の5分の1以上(最低年1回は定期開催) ・マンション規約の改廃 : 議決権の4分の3以上 ・マンションの建て替え : 議決権の5分の4以上

 よって、その後の流れは、臨時集会の召集 → 建て替えの決議 となるでしょう。賛成派は5分の4以上の賛成者を募るための根回しをし、反対派は5分の1超の反対者を募るための根回しをすることでしょう。いずれか、自分の推す派の根回しをするとよいのかも知れませんね。

建て替えには反対なのに集会に参加しない人がよくいますが、不参加につき委任で賛成投票となるので、意見と相違するのであれば建て替え決議集会には参加した方がよいでしょう。他の決議も同様で、不参加は不利益を被る可能性がありますので注意が必要です。

 

○ 宅地 100 平米に一軒家を建てようと思います。建ぺい率 60%、容積率 200% とありますが、どういう意味ですか?

建ぺい率、容積率は用途地域毎に法定された係数です。敷地の面積に乗じることで、家を造る上で重要な以下2つが決まります。

●建築面積が決まる

 建築面積とは、上空から投影した場合の建物の輪郭(家屋の平面図の最大輪郭)によってできる面積で、法律上の許容面積です。一般的に、建物1階の許容面積として用いられます。今回の場合の計算は次の通りです。

 敷地面積 100 平米 × 建ぺい率 60 % = 建築面積 60 平米

 つまり、上から見て 60 平米以内の輪郭になる様な家なら建てて良いということです。1坪 3.3平米ですから、約18坪(36畳)以内の1F平面を考えようということになります。なお、敷地も含め、この通り一軒家を建てたら、郊外型のやや大きめの家ができそうですね。

 なお、耐火建築物や角地だと建ぺい率に10%加算でき、さらに少し広い家が作れます。

●延べ床面積が決まる

 延べ床面積(総床面積)とは、家の全ての階の面積の合計で、法律上の許容面積です。今回の場合の計算は次の通りです。

 敷地面積 100 平米 × 容積率 200 % = 延べ床面積 200 平米

 つまり、総面積 200 平米以内なら建てられるということです。建築面積 60 平米通りに上階までつくるなら、3階建てまでは作れそうですね(日照権や固定資産税など一切無視)。
★土地の購入・一軒家の建築では、他にも法律上、気をつけておきたいことがあります。

あと、家づくりの法定要件はまだまだ他にもあります。

●セットバック : 2項道路のような昔の街並みに家を建てるなら、家の前の公道の中心から2m分は道路とするため、幅員4m未満の道路のような道路用地不足分は敷地を一部提供しなくてはいけないことになっています。なお、4m以上の新しい道路ではこの心配はいりません。

●接道義務 : 家の敷地は公道に2m以上接している必要があるというものです。消防車などの緊急車両が入るためでしょう。なお、農地や空き地なら問題ないです。

●その他、建築基準法 : 他にも家の構造、工法、材料等、細かく法定された部分があります。ハウスメーカーなどに必ず居る「建築士」に設計や見積もりの際に掘り下げて聞いてみると良いでしょう。

●固定資産税も考慮しましょう
 固定資産税は、以下に対して市町村から課税される地方税です。一般的に税金は「もうけ」に対してかかるものと認識されてますが、資産の「価格(時価)」・「所有」にかかる唯一の税金です。「所有」している限り、永遠に課税されるものなので、これも固定資産税が毎年いくらかかるのかも考慮に入れて家づくりしましょう。高級な住宅が、固定資産税などの税金を支払えず、市町村から差し押さえ・競売となって新聞広告に出されることを良く見かけます。

対象(課税客体):土地、家屋、償却資産(つまり「固定資産」)
課税標準:価格(土地は地価の7割程度、家屋は建築代金以下とするのがひとつの目安。実際には、市町村が評価する。)
標準税率:1.4%(年)

これで、だいたいの目安(最大値)はでます。
しかし、固定資産税は、税法特有の計算がされます。特例率や負担調整措置など、地方税法(固定資産税)を知らないと、実際より、異様に高い金額がでます。それで家を建てるのを諦めるのはナンセンスですので、税理士、FP、土地家屋調査士など専門家集団への相談されるとよいでしょう。ハウスメーカーの顧問税理士というのも良いかも知れませんね。

なお、市町村が課税するものですが、家を立てる「前」に、「税金がいくらになるか?」を教えはくれません(個人的には、市町村もそういったサービスすべきだと思ってます)。
 当サイトでは、「不動産」「税金」のコンテンツを多数有していますから、参考にして下さい。

 

○ 固定資産税がかからない不動産もあるそうですね?

はい、その通りです。地方税法に規定されています。価格や課税標準額に関わらず固定資産税が非課税とされるものは以下の通りです。

●人的非課税 : 以下の「組織」が所有するものには固定資産税が絶対に課税されません。これは、どのような土地、家屋、償却資産の利用のされ方をしていても(仮に国民感情に火がつくような使われ方をしていても)、その組織が所有しているだけで課税することが法律で禁じられていることを意味します。
・国、都道府県、市町村、東京都特別区
・上記地方公共団体の事務組合(A市とB市で共同設立した清掃組合など)

(具体例)
・官公庁所管の庁舎と敷地(霞が関の省庁、合同庁舎、庁舎、役場、自衛隊基地、官舎、空き地、原野)
(注:民間なら、公共宿、公共湯、利益還元・慈善目的で設立したグラウンド等だとしても課税!
逆に、「公務員官舎」は、地価が高い都心に位置し、贅沢な造りだとしても非課税。また、「財務省所管の空き地」は都心のど真ん中にあるにも関わらず、全く有効利用されていなくとも非課税。)
・官公立の学校の校舎と敷地(防衛大学校、航空大学校、税務大学校など)
・国道、県道、市道など
(注:私道は不特定多数が使える状態でも課税)
・国立公園・市立の公園
(注:私立の庭園は他人が無料入園できても課税)
・他、人的非課税とされた団体の所管する固定資産のすべて

●物的非課税 : 以下の「モノ」は固定資産税の非課税対象となります。地方税法でモノに対して直接的に非課税となることが定められているものです。よって、膨大な数にのぼるため、代表的なものの一部を例示することとします。 ・民間人所有で、市など(人的非課税となる団体)に「無償」で貸している市町村役場の敷地やビルのフロアなど
・領事館、米軍基地の固定資産すべて
(注:民間の飛行機やヘリコプターなら償却資産として課税ですが、米軍のオスプレイや戦闘機は日本に長期間所在しても非課税です。)
・皇室経済法(皇位継承の由緒あるもの)の固定資産
・独立行政法人、特定のNPOの固定資産(事業の内容は問われない)
・文化財保護法による国宝・重要文化財
(注:民間の建物が非課税になる数少ない方法だが、登録には歴史が必要となる)
・宗教法人の境内用建物及び土地
・墓地・墓所・霊園
・保安林・国有林
(注:私有林は誰が自由に出入りできたとしても課税)
・農協や健保等の協同組合の事務所と倉庫(事務所と倉庫に限定されており、それ以外は課税)

●物的非課税の例外(課税)
 上記非課税項目でも、次の場合は固定資産税の課税対象となります。
・目的外の使用がされている場合は課税(例えば、宗教法人が敷地内に有料駐車場を設置した場合です)
・所有者が、官公庁など人的非課税の団体に固定資産(主に土地)を「有償」で貸している場合、その所有者に対して条例で定めて課税することもある(例えば、大昔からの大地主が、市役所用地などとして、有料で借地提供することもあるらしいです)

●免税点について
 非課税とは狭義の意味では異なりますが、免税点という規定もあります。

政府機関・官公庁、宗教団体には非課税の権利がありますが、我々民間人にはそれがありません。ただ似たようなものとして、「免税点」という特別に課税しない判定算式が用意されています。
 課税標準の合計が、土地は30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円に満たない場合は固定資産税を課さないというものです。広義にとらえれば、これも非課税に準ずるものと言えるでしょう。民間の固定資産税がかからないモノはこれによるからです。但し、1個単位で免税点が判定されるものではなく、「課税標準合計」で判定されます。例えば、土地を3筆もっているのなら、1筆毎ではなく、3筆の合計額で判定されるというものです。

<固定資産税・免税されるケース一例>
★自宅のSOHO化
・PC、事業用加工機など機械数台:課税標準合計額149万円 < 償却資産免税点150万円 ∴免税
(注:自宅の一部事業化で、その部分の土地・建物は課税標準額が増額となります)

★田舎によくある土産屋・アイスクリーム(ジェラート・クレープなど)屋を開業
・食品加工機やフリーザー、電光掲示板など機械数台:課税標準合計額149万円 < 償却資産免税点150万円 ∴免税
 なお、レジやコピー機は「リース」が一般的なので、固定資産税は関係ないです。
・田舎の格安土地(店舗用敷地):課税標準額29万円 < 土地免税点30万円 ∴免税
・店舗(中古スーパーハウス):課税標準額19万円 < 家屋免税点20万円 ∴免税
 格安物件探し(特に土地)はたいへんですが、固定資産税ゼロでの開業も不可能ではないでしょう。なお、借地としたなら、賃料はかかりますが、固定資産税は関係なくなります。

<固定資産税の減免>
 さらにもう一つ租税免除があります。先の東日本大震災やその他風水害などの天災や生活保護者などの貧困理由で、固定資産税の減免されるケース(市町村が認めれば減免)もありますから、該当する方は市町村役場の固定資産税課に相談しましょう。

 

○ 土地・家屋・償却資産はいつ、どんなタイミングで売却又は解体すべきですか?

土地、家屋、事業用の償却資産には固定資産税が掛かりますので、固定資産税(地方税法)の規定を意識して、売却または解体などすると良いでしょう。

 固定資産税は賦課期日である1月1日にその不動産を所有している者(=納税義務者)に対して課され、その年分期間按分することなく、1年分を全額納税することになります。全額です!日割り、月割しません!!容赦なく、市町村から翌年4月に賦課徴収のための納税通知書があなたに来ます。よって、事情にもよりますが、売る事や解体することが年内に確定しているのであれば、年内12月までに売却した方が固定資産税上、節税となります。永いこと使ってきたので名残惜しい、最後に一緒に年を越したい!!というお気持はわかりますが、売る・壊すと決まれば、不動産は年末までに売った方が良いと思います。1月まで持っていると、翌年の固定資産税を1年分全額負担することになるからです。
 相続ならなおの事、注意が要ります。例えば、年の後半に父が亡くなり、父が所有・登記していた土地・家屋をどうするか、親族一同で協議していたとしましょう。同居の子がそのまま使用するという結論なら、法務局への所有権移転登記が無かったとしても、その子が「現に所有する者」として、固定資産税が課されることとなります。父の他界後もそのまま実際に子が使っているため、このケースは納得のいくところでしょう。
 もうひとつのケースが固定資産税的に問題となります。父の他界後、誰も住んでないので、土地・家屋を売って現金化して相続人で分ける事までは決まっているが、相続人間での協議分割がやたら長引いて、売りも壊しもせず年をまたいでしまったケースでしょう。こうなると、土地・家屋を使ってすらいない相続人が固定資産税を共同で支払うことになります。課税団体である市町村は、書面上の「所有」又は「みなす所有者」は把握できますが、実際に「使用」しているかどうかまで現地に確認しにくることはしません。なんか、もったいないですよね。相続は後にして、取り急ぎ、年内までに売れば、固定資産税の翌年の負担はありませんでした。

 なお、最近の不況が原因で売れないのであれば、家だけ取り壊して更地にしておくという節税手段もあります。不動産会社のモデルハウスなどでこの例をみた事があります。12月にモデルハウスを取り壊し、春までにまたモデルハウスを新築することもあるみたいです。土地の価値が低く、家の価値が大きい場合に有効かもしれません。
 土地の価値が高い都市部では注意が必要で、家を壊した事により、小規模住宅用地の特例率1/6(→住家があることで、価格を6で割って課税標準としてくれる)の規定が適用されなくなり、土地の固定資産税が跳ね上がることもあり得ます。税理士や宅建、FPなどに相談するとよいでしょう。

 なお、売却市場の時価の変動により、12月だと売却収入が低く、1月だと高く売れるということもあり得ますから、その把握も大事かもしれません。試算は是非FPへ。固定資産税と売却収入のバランスをみましょう。

 

○ 父から受け継いだ土地(市街地)がありますが、更地のままで、固定資産税だけ払い続けているのですが?

それはもったいないですね。土地を保有しているだけでは、固定資産税を払い続けるだけであり、負債の支払利息と同様となってしまいます。不動産の有効活用は様々ありますので、以下参考下さい。

不動産開発業者に委託する : 不動産開発業者、すなわちディベロッパーに事業受託方式で、企画から運営まで一括して土地活用を委託し、賃料を受け取るというものがあります。不動産活用の専門知識は不要です。但し、ディベロッパーへのマージン、報酬などが差し引かれます。賃貸マンションなどが建つかもしれません。

借地とする : 近所の宅建にお願いし、借地として提供することで、借地権使用料を受け取る方法があります。店舗などが建つかもしれません。

駐車場フランチャイズのオーナーになる : 都心部で主にみかける、数分単位で料金をとる無人式駐車場です。フランチャイズ契約で運営し、一定のマージンを払います。初めからブランドがあり、ノウハウや機械を借りれる点は魅力ありです。

 上記は一例で、土地の有効活用はまだまだあるはずです。まずは、最低限、固定資産税垂れ流しの状況だけなんとかしましょう。

 

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