あらた先生
あらた先生が解説します!

○ 消費者(得意先)クレームが発生しました。どうしたらよいでしょうか?

 まず、注意したいのは、クレーム対応も立派な営業活動ですので、疎かにできない点です。ここ10年、クレーム等を軽視したがために、信用を失った、収益がダウンした、最悪、潰れたという会社は数知れません。逆に、クレーム対処が上手くいけば大きな信頼へとつながり、さらなる収益アップにもつながります。TV-CMでクレーム(リコール)を神妙に告知して、成功した例もある位、今、クレーム対応は顧客満足度向上に直結するものと言えるでしょう。
 さて前置きはこれぐらいにして、ここでは、クレーム発生から解決までの会社組織の動きとして、製造業大企業を例に紹介したいと思います。

【1】お客様情報受付 : CS部のオペレーターが「お客様情報」として、電話・メール等で受け付けます。この時点ではクレームとは断定できません。お客様の勘違いと言う可能性も十分あり得ますが、丁寧な応対は必須です。クレームではなくとも「調査の上、後日回答する」姿勢が大切です。そして、CS部は営業部・品質保証部に情報を送信します。
【2】1次分析・お客様のミスか当社起因か判断 : 営業部と品質保証部で、1次的な分析をします。明らかに、お客様の勘違い・使用方法のミスであれば、クレームとは言いません。営業部より電話の上、仕様や正しい使用方法のパンフレットなどを送付して、完了です。
 明らかなお客様によるミスでなければ、当社によるミスの可能性が高まるため、全社的対応が必要になります。ここで初めてクレームとして認識されます。品質保証部・品質管理部が陣頭指揮と責任を持つことになります。
【3】クレーム発生情報の周知・原因特定の指示 : クレーム情報として全社に配信します。品質保証部は、関連部署を推定し、クレーム発生原因の追跡を指示します。クレーム品の現品を分析し、過去のクレームと比較・類推します。また、購入・製造・販売の時間帯やロットなども印字などから調べ、関係各部に周知します。
【4】2次分析・原因特定 : 品質保証部より個別に分析指示を受けた資材提供元業者、SCM部、製造部、下請け加工業者、販売店、得意先などが細部まで分析します。品質管理部が関係部署のフォローや選別、科学的手法(異物分析や統計学的手法など)で分析することも必要になります。このようにして、範囲の特定と発生源の特定をします。結果、原因不明ということも十分あり得ます。

【5】発生源撲滅と選別 : クレームの発生原因が発見されたなら、発生源の除去をします。また、同じクレーム品が混在する可能性のある範囲について、選別をしかけ、除去します。
【6】3次分析・除去確認 : 品質管理部は原因除去後の分析をします。問題有れば、さらなる改善のため、【4】に戻ります。問題が解決されたと判断されれば、品質保証部に情報を上げます。原因不明でも、選別を一定期間全数検査するなど対処方法はないわけではありません。
【7】特定原因・解決策などの周知 : 品質保証部より、原因特定と除去の旨、全社的に配信します。
【8】お客様へのレポート作成 : 品質保証部がお客様宛のレポートを作成します。原因、対処、再発防止策を記載し、押印します。
【9】お客様への報告 : 営業部より、商品交換、レポートを送付の上、電話連絡します。ここで、お客様が納得いっているかがポイントです。納得いかないようであれば、【4】より再調査・再度報告は必要でしょう。場合によっては、補償や損害賠償もあり得ますが、この場合は経営層の稟議や法務部・顧問弁護士も動いてもらう必要があるかもしれません。なお、クレーム対処費用・補償による損失は全て損金とできますから、経理部が必要経費に算入することになります。

このように全社的、状況によっては仕入れ先や得意先も巻き込んで調査・改善・選別・補償が必要になってきます。コストとなるのはまちがいありませんが、軽視しないことが重要です。もちろんいたずらに平身低頭もよくありませんし、傷口を広げたりすることも無用です。

 

○ 異物分析はどうやったらよいでしょうか?

 品質管理部の異物分析のプロが行う手法を記載します。
【1】異物(検体)の確保 : 異物の形態にもよりますが、ビニル袋、シャーレや保存ビンを使うのが一般的です。品質管理部以外の素人がよくやりがちなミスとしては、素手でつかみ、セロハンテープで紙に貼り付けたりされるケースです。手の油脂の成分とセロハンテープの有機物成分で分析しにくくなりますから、事前の注意喚起が必須です。「検体はピンセットで掴み、シャーレに入れる事」など。なお、プロである品質管理部の者も異物返却まで、検体の計画的利用と管理を怠らないことが大事です。さらに検体は小さい場合が多く、失くしやすい点も要注意でしょう。
【2】形状確認・写真撮影 : 異物のありのままの形状をデジカメの「接写モード」で撮影します。また、検体の大きさに関わらず、表界面を観察するため、CCDカメラ(50倍~200倍)などで、観察とデジタル撮影をします。この時点で、大体の類推が可能です。
【3】大分類を類推(特定はしない) : 異物のあった状況(場所・工程・時間帯)をイメージします。また、金属光沢の有無で金属かどうか判別します。結晶性があれば、無機物と判別し、また、油状であれば、有機物と判別します。曖昧な情報ですが、レポートの際に必要な1データとなります。プロはこの時点で大体なにかわかりますが、誤診の可能性もありますから、この時点では自信があっても断定しない点は大事です。「金属かも?」くらいに留めます。
【4】科学的測定・分析 : 様々な分析機器があり、それぞれからわかる情報はことなります。
 ●電子顕微鏡でわかること : 形態を問わず、分析できます。結晶形状していれば、無機物です。電子線をあてて、黒く画像が飛んだら有機物です。なお、有機物を電顕で見たいのなら、金蒸着又は金スパッタリングで観れるようになります。
 ●EPMAでわかること : 無機物の分析に適し、有機物の分析には適しません。元素レベルでの組成分布、特定の物質の含有率(%)がわかります。これらデータと、既存の社内材料データと比較・一致するものを探すもよいでしょう。さらにPC用のサーチソフトを使うと絞りやすいです。
 ●FT-IRでわかること : 無機物の分析には適さず、有機物の分析に適します。赤外線をあて、分子間結合特有の振動数(cm-1・カイザー)のピークからチャートを作成し、既存の社内材料データと比較・一致するものを探します。さらにPC用のサーチソフトを使うと絞りやすいです。
 ●クロマトグラフ : 液体と気体なら分析できます。分離される時間が物質ごとに違うのを利用して、物質を特定します。PHメータなども有効でしょう。
 ●その他分析機器 : 異物分析で一般的なのは上記4点です。しかし、さらに踏み込んだ分析をしたいのであれば、医療で用いられる「CT-スキャン」も使うケースがあります。異物分析としては超マイナーですが、遺伝子分析や炭素年齢分析などするケースもあるのかもしれませんね。
【5】解析 : 測定データから、物質を特定します。データからヒットするなら断定できますが、無理なら消去法による推定することになります。特定も推定も難しい場合もあり得ますから、それも大事な結果として報告の1データとなります。
【6】レポート作成 : 異物の写真、表界面写真、測定データ、解析結果、原因、場所・工程、特定した物質の名称と影響等を最低限記載します。クレーム、単なる分析依頼で書式は大きく異なりますから、フォーマットを用意しておくとよいでしょう。物質が特定できなかったのなら、わかる分のデータとその旨記載します。なお、レポートは正直なのが大事で、改ざん等はしてはいけません。嘘を塗り重ねて破滅しかねませんから。
【7】報告 : 場合によっては、営業部員に同行して消費者や得意先へ、プロとしての説明も必要な場合があります。理工系出身の多い品質管理部門の者といえど、話術も鍛えておきましょう。但し、あくまで分析のプロですから、ハッタリや嘘だけはNGです。

異物・検体は返却するのが一般的なので、分析依頼・受領の時点から計画的に使い、残量が最も多くなる手法を選択しましょう。

 

○ 仕事に集中でき、作業能率を上げれる方法はありませんか?

 仕事の能率を上げる方法を紹介します。

●10分仮眠
 しゃきっとしますよ。特に昼食後が有効です。うとうとした状態で仕事を続けるよりよっぽど作業効率が上がります。気分がすぐれないときにも有効です。
 仮眠室があれば一番ですが、なくとも椅子を3つならべて寝てみましょう。そしてチャイムとともに起きるのです。但し、寝すぎは色んな意味でNGですよ。

●ガムをかむ
 集中できます。大リーガーもバッターボックスでガムをかんでますよね。仮眠と合わせるとより集中できます。キシリトール入りなら、虫歯予防にも良さそうです。

●体操する
 背伸びとスクワットをすると集中できますし、肩コリや腰痛も緩和します。

●糖分をとる
 チョコなどの甘いお菓子はもちろん、ごはん(お米)も脳の栄養となるそうです。

●コーヒーを飲む
 PCを使う人、理系の人はよりおすすめです。カフェインで計算能力アップさせましょう。

●指の先を爪を立ててつねる
 手の指を、逆の手の指を使って、爪を立ててつねります。ちょっと痛いくらいがいいでしょう。末梢神経を刺激して、集中・ボケ防止し、さらに腱鞘炎も防止しましょう。

●イメージする
 仕事や学習に飽きを感じたら、あなたの想像ワールドへ。時給には影響しないので、トリップしてみましょう。意識が戻ったら結構集中できる状態になっているはず。

●無理にでも笑顔を作ってみる
 向かいのデスクの人は気持ち悪がるかもしれませんが、にーっと笑顔を作ってみましょう。疲れや肩こりなどの痛みがやわらぎ、集中力が少しもどってきますよ。

●休憩して誰かと話す
 結局は、これが一番有効です。休憩が取れそうなら、同僚をさそうのも良いかもしれません。

さて、午後から、残業からもがんばりましょう!

 

○ 「ISO」や「社内標準化」を推進している企業が多いのはなぜ?導入での失敗例はないの?

【そもそもISOや標準化とは?】
 ISOと書いて「アイ・エス・オー」と読みます。国際標準化機構による国際標準規格のことを指し、電気分野を除いて多方面に管理の標準化について規格化されています。なお、日本では、すでにお馴染みの「JIS(ジス)」日本工業規格と関連性が高いとも言えます。
 ISO9001「品質マネジメントシステム」やISO14001「環境マネジメントシステム」の導入が一時期活発化していました。2000年頃から10年間というところでしょうか。
 品質、環境と分野は違えども、「管理の標準化」を図るという意味では共通しています。この「標準化」とは、書面でルールを明らかにし、いつ・だれでも業務を推進できるようにしたものです。

 このレベルの高い状態を保持するため、社内標準化の徹底と「内部監査」・「外部監査」を受けることになります。「監査」とは、上場企業の公認会計士による監査と同様で、管理の徹底がなされているかを、台帳をチェックしたり、職制への問いかけすることで行われます。特に、管理体制に不備がないか、抜けや不正はないかは厳正に調べられます。

 内部監査は社内の監査員が業務(通常の給与)の範囲内で行うもので、教育を受けた者数人で行います。なお、正直、馴れ合いで行われることが多いため、緊急業務次第では実施しないなど割とルーズに扱われることさえあります。

 一方、外部監査とは文字通り、外部機関による監査を受けるというものです。ISO認定の特定団体により、初回の認証を受けます。その初回認証の「認定書」を目立つ所に掲示している企業が多いですね。一般には、審査に年間百万円程度かかるとされ、大企業や元気のある中小企業が採用しています。

[なぜ推進するのか?]
 ここ数年、企業がこぞってISOや社内標準化、または「見える化」などをすすめてきたのにはわけがあります。

 ISOの目的でもある、「社内標準化」により業務効率を上げること(ISO9001)や「環境負荷」を減らす(ISO14001)ためです。ただし、これは表向きの理由とされることも多いのです。どういうことでしょうか?
 正直なところ、実態は「CM効果」を狙っての事とも言われています。「品質がいい」「しっかりしている」「環境にやさしい」などのブランドイメージを高めるためといった方がよいかもしれません。

このような「CM効果」などISOの本質とずれた事をメインに考えると、企業は次のような失敗に陥いることがあります。★ISOや社内標準化の失敗例

【失敗例】
 1.認証はもらったが、実質的に社内標準化が達成できない : これでは名ばかりで、本末転倒です。CM効果はあっても、いずれクレームやリコールにあえぐ事になり、ISO認証の意味はなくなるでしょう。ひどい場合は、認証を取り下げられることさえ考えられます。

 2.コストばかりがかさんでしまった : 2010年代に入って、もうISO認証はCM効果を期待できるほどの差別化にはつながらなくなったと言えるでしょう。無理を押せば、ISO認証で赤字になることもあり得ます。品質マネジメントシステムにより、コストダウンも図っていこうというものですが、まじめにやらないとコストは改善されません。審査には百万円かかるわけですから、認証だけで大金が支出されます。全社的にコストダウンに取り組まなければなりません。コストになるだけなら、法律上の義務ではないので、初めからISOには関わらない勇気も必要です。

3.現場、末端社員レベルにまで浸透していない : いまだに親方主義や秘密主義の先輩はいませんか?例えば、「教えてもらおうなんざ、10年早え!」、「うるせぇ、体で覚えろ!」とか、「そんなこといちいちいわれんでもできるようになれや!」です。原始的すぎて、これじゃISOどころではありません。確かに、後輩が速く育つと、先輩にとっては脅威かもしれません。しかし、ビジネスが世界レベルで行われていて、若手の人材不足の中では、いち早く社員教育を徹底しないと企業は生き残れません。後輩への技術伝達も疎かにできない時代なのです。末端社員の社内教育レベルから品質マネジメントシステムを周知・徹底しなければ意味がありません。

 4.口の悪い社員は「USO800」とさえ言う : ISOをもじって、「ウソはっぴゃく」などと現場の人が揶揄したりします。3.の延長で、あまり浸透していない企業では、現場の社員などから品質管理部の取り組み方に対して冷ややかな言葉が投げられたりします。現場にお願いするのも大事ですが、一定の導入の効果も出さねばこのように言われてしまいます。現場の士気を下げたのでは問題です。

 ★まとめ
 ISOは国際標準規格であり、社内標準化のため導入する企業が多いのですが、CM効果をメインの目的とする企業もあるのは事実です。やり方次第では、導入が失敗につながることもあります。

 

○ 商慣習上の伝票や書類をいちいち発行しなければならないのはなぜですか?

【商慣習上の書類などの概要】
 まず、商慣習・商取引上の書類には主にどのようなものがあるか確認です。

 1.「見積書」 : 商品・サービスの内容と価格を契約前に提示するためのものです。購入側が社内稟議(買うか買わないかを経営層が判断すること)をかける等の判断材料に用いられます。

 2.「注文書」・「注文請書」 : 受注販売の「契約書」に相当するもので、厳密に契約を交わすよりも、迅速かつ簡易的に行われるものです。なお、法律(商法)上の販売契約の時点はここと考えてもよいでしょう。

 3.「納品書」・「受領書」 : 商品を確かに渡しました・受け取りましたという「検収(けんしゅう)」の確認のために交わされます。なお、会計上(IFRSアドプション)はこの検収の時点をもって販売の時点とします。法律上の時点と若干違うのが特徴的です。

 4.「請求書」・「領収書」 : 対価を求め・支払いの証明をするものです。税務会計上、極めて重要な書類となってきます。特に「3万円以上の領収書」には「収入印紙」の添付と「消印(けしいん)」が必須です。

【なぜ逐一書面にするのか】
 何往復もして面倒だ、口で説明すればいいでしょ?という声が聞こえてきそうです。しかし、それではトラブルが起きた時に第3者(最悪、裁判)が対処できないから、書面に残すのです。次のようなトラブルをさけるために各種文書が交わされます。

1.「見積書」 : 購入を決意したら、急にふっかけられたというような事態を防ぎます。あるいは裁判等で自らの正当性を示せます。

2.「注文書」・「注文請書」 : 契約したのに買ってくれなかった、売ってくれなかったという事態を防ぎます。あるいは裁判等で自らの正当性を示せます。

3.「納品書」・「受領書」 : 税務会計上、ここでようやく売上や仕入の仕訳がきれますが、税務署などに突っ込まれた時の証明書になります。

4.「請求書」・「領収書」 : 代金の支払い・受領という最も大切な商取引の証明になります。特に領収書は法人税・所得税の「必要経費」算入のため、大切な添付書類となります。
 よって、すべての書類にトラブル回避の目的があり、面倒でも、逐一発行・交付がされているわけです。
★ところで、これら商慣習上の書類には、法律上の「発行義務」や「規定の書式」はあるのでしょうか?

各書面の「発行の義務」や「規定の書式」はありません。実は、「法律上の細則」は定められてはおらず、決まったルールやフォーマットがあるわけではないんです。個人の買物などのように見積書や注文請書のない取引も頻繁にされてますし、各書面の書き方も会社ごとにレイアウトが違ったりします。しかし、商慣習上の「しきたり」というか、「常識」のようなものがあり、これは守らねばなりません。中には書かないとトラブルがあったときに不利になってしまうというものもあったりするからです。

【しきたり一例】
 ・「見積書」 :
 「有効期限」を忘れず書きます。いつまでも商品・サービスや価格が同じとはならないからです。
 ・共通事項 :
 金額(数字)に改ざん防止の工夫をします。金額の前にすきまなく「¥」を、後には「-」そして、「カンマ」を書き込みます。例えば「\15,000-」です。
 あと、「領収書」の収入印紙添付と消印は税法(印紙税法)上の規定といえるでしょう。貼り忘れると税務署から付帯税がとられる事もあるので要注意です。

 ★まとめ
 法律上の発行義務や規定の書式はありませんが、商慣習上のしきたり・常識の観点から発行されるためです。

 

○ 「印鑑」(押印・ハンコ)のルールがよくわからないのですが?

商取引だけでなく、日常生活にも色々な「印(いん)」の種類や押し方が出てきて、ややこしいですよね。これでいいのかなと不安になることさえあります。1.印の形、2.登記の有無、3.押し方で細かくみていきましょう。

【1.印のカタチからの分類】
 印のカタチ、つまり押したときの図柄を「印鑑」(いんかん)または「印章」(いんしょう)といいます。このカタチには法律的な効力はありません。仮に押し間違って、いつもと違うカタチで押したとしても、法律的に問題になるわけではありません。押した人の常識やモラルが問われる程度のものと言えるでしょう。さて、分類は以下の通りです。
・「丸印」(まるいん)≒社長印(しゃちょういん) : 印章は丸型です。会社や個人事業主の代表印(だいひょういん)となるもので、契約書などの最重要書類はこの「丸印」がもちいられます。市町村役場等での「印鑑証明(いんかんしょうめい)」という登記をした「実印(じついん)」であることが多く、「銀行印(ぎんこういん)」としても使われます。
・「角印」(かくいん)≒社印(しゃいん) : 会社の名前を記すための印鑑で、四角い印章をしています。丸印と違って、印鑑証明した実印ではなく、法的効力はありませんが、会社の発行物であることが受け取り手に伝わりやすいメリットがあります。角印でも「○○株式会社社長之印」として社長印を兼ねていることもあります。
・「三文判」(さんもんばん) : みなさんお馴染み印鑑です。木製又はプラスチック製が主でしょう。個人が使用します。100円均一でも買えます。容易に印章偽造されるため、会社レベルではふつう使用されません。個人の「実印」として印鑑登録することは問題ありませんから、重要な書類にも押す場合もあります。ただ、あまりカッコよくはないので、よく新聞広告等でハンコ屋さんが広告を出してますが、その業者に「丸印」を特注で作ってもらう人も多いですね。
・「ゴム印」(ごむいん) : ラバー製で丸、角問わず存在します。スタンプあるいは朱肉のいらない「シャチハタ」等がこれです。個人の簡易的な押印から観光地の土産屋さんのスタンプまで幅広く用いられています。但し、契約書等の重要書類では一切用いる事ができません。
・「電子認証」(でんしにんしょう): ネット社会ではもはやこれも印鑑と同等物と呼べるでしょう。イーコマースや電子メールで用いられる電子暗号と言った方が正確かもしれませんね。

 【2.印の登記からの分類】
 市町村役場等に届け出ているか、否かの分類で、法的効力の有無が違ってきます。
・「実印」(じついん) : 市町村役場に「印鑑証明」(いんかんしょうめい)として登記(とうき)した印鑑を「実印」といいます。法的権利や義務の証明書類に押印します。よって、何個か印鑑を持っている人が多いかと思いますが、最も重要な印鑑となります。
会社や個人の「実印」として、丸印・三文判を登記します。ゴム印は不可です。実印となる印は、銀行用の「銀行印」とは分けた方が良いとも言われています。盗難・紛失にはご注意を。
・「認印」(みとめいん) : 実印ではないものすべての印鑑をいいます。重要書類には押せないのですが、簡易的な書類の発行者証明に用いられます。印鑑を押すシーンで、「なんでもいいですよ」とか「シャチハタでいいですよ」などと言われたら、この登記していない方の印鑑でも良いという意味です。ゴム印や100円均一で買ってきたような印鑑の利用がイメージしやすいかと思います。

(注)この、実印で押すか?認印で押すか?は法律上極めて重要です。
法律文書なのにも関わらず認印で押した場合には、文書が無効になったり、訴訟などで不利に扱われたり、行政当局などから罰金が科せられたり様々な弊害がありますから、要注意です。
逆に、なんてことない連絡文書程度のものなどに実印をポンポン押すと、印章偽造などのリスクを無駄に負うことになります。あなたの「権利」を主張するためここは慎重に押しましょう。

【3.印の押し方からの分類】
 印を押す事を「押印(おういん)」又は「捺印(なついん)」といいます。書き言葉として前者が、話し言葉として後者がよく言い換えられて使われている感がありますが、意味は全く同じです。この押印ですが、目的に応じて押し方が違ってきます。法律的にもこの「押し方」は重要です。それぞれ注意点がありますので、法的効力や罰則を認識したうえで押印すべきです。
・署名押印(しょめいおういん) : 契約書等のメインとなる押印で、手書きの自書とともに記します。契約書や同意書などの重要書類から、調査報告書などの簡易文書まで用途は様々です。
・契印(けいいん) : 実印を用いて、契約書に押印する方法で、文書と文書の間や、折り目に押します。契約書の偽造・改ざん防止や発行証明のために押します。
・割印(わりいん) : 2通の契約書の上部に印の上半分・下半分を割る形で押印します。契約書の偽造・改ざん防止や発行証明のために押します。

 ・消印(けしいん) : 収入印紙と紙を割る形で押印します。契約書や領収書には印紙税法の規定で貼付が義務付けられてますが、収入印紙への消印なしでの利用は過怠税の対象となります。収入印紙の再利用(つかいまわし)をさせないためだそうです。署名押印の印鑑と同じものを用います。
・訂正印(ていせいいん) : ミスした文章を修正するため、二重線をひいて、署名押印の印鑑と同じもので押印します。なお、署名者全員の押印が必要になってきます。よって、ミスすると面倒です。なお、重要書類でない(調査報告書など)なら、自分の三文判だけで訂正しても問題ないでしょう。
・捨印(すていん) : 契約書の右下に予め押印しておき、契約内容に変更の必要性があった場合、一方が契約内容を改めるのを委任するための押印です。合法的に契約書の一方的な修正が可能なので、自分が捨印する場合、本当に信用・信頼のおける相手にしか用いてはいけません。

★まとめ
 印には様々種類があります。用途に応じた印鑑と押印の方法の選択を行いましょう。なお、押印には留意事項が多くあります。

 

○ 得意先が債権代金の入金を渋ってくるのですが?

商品やサービスを販売(売上)して黒字(営業利益がプラス)を出したが、売上債権(売掛金・受取手形)の代金回収ができなかったために、黒字倒産したというケースは珍しくありません。損益計算上、儲かっているように見えても、貸借対照表上では現金の流入(キャッシュ・イン・フロー)がなく、潰れてしまう会社があったりします。
 このような事態を避けるためにも、1.入金の催促(さいそく)、2.与信管理(よしんかんり)、3.会計処理、4.キャッシュフロー計算は重要になってきます。

【1.入金の催促】
 延滞の度合いが深まっていくほど、言い方や書き方がキツクなるのが特徴です。最後には訴訟(そしょう)が待っています。
(1)口頭での催促(さいそく) : ここからスタートです。受取手形の支払期限が過ぎても入金がなかったら、営業マンが電話や訪問など口頭で簡単に催促します。「お願いしますね~」位の感じでしょう。支払期限後翌日から1週間程度が目安です。
(2)督促状(とくそくじょう) : はっきりと「払え」とは書かないタイプの書面です。残金一覧を記載し、これの入金予定を伺いたいというようなタッチで書きます。かなり遠まわしに「払って下さいね」と伝える感じでしょう。まだ、信頼関係はギリギリ保たれているとして良いでしょう。支払期限後1週間から数カ月程度が目安です。
(3)催告状(さいこくじょう) : いよいよケンカ腰になります!はっきり「支払って下さい」と書きます。それでも支払わなかった場合は法的手段もとる旨も記載します。この辺までくると、すでに信頼関係はガタガタとなっていて、今後、掛け販売や信用取引はされないでしょう。それにしても、次のステップは本当に法的手段となるため、お互いにとってメリットがありません。なんとかここで入金してもらいたいところです。よって、かなりキツメの書き方になります。支払期日から数カ月経っていて、決算など自分の身にも悪影響がでる頃が目安です。
(4)和解・調停・訴訟 : いよいよ裁判所が絡んでくるステップとなります。和解や合意などで済ませるか、徹底的に争うかの段階です。こうなったら、まず今後両社の取引はないでしょうから、弁護士を立てて、遠慮やお世辞は抜きで闘うしかないでしょう。「買ったんなら払えや!」の世界です。

【2.与信管理】
与信管理とは、得意先から債権回収が可能かどうか状況を常時把握し、貸し倒れリスクを減殺(リスクヘッジ)することをいいます。営業マンからの報告や与信調査会社などからのレポートから、掛け販売や手形の上限を設定します。よって、債権回収があやしくなってきた会社は、掛け販売の上限を狭めるような調整がされます。

★黒字倒産させないため、次のように、税務・会計上も配慮がされています。

 【3.会計処理】
 税務・会計的には売上債権(貸金等)の「貸倒引当金繰入」・「貸倒損失」として処理が認められていて費用計上・必要経費計上することができます。また、貸し倒れリスクをディスクローズするためでもあります。
A.一般債権(一括評価貸金等) : 特にリスクが感じられない売上債権でも費用化できるものです。会計上は数年分の貸倒れデータに基づいた「貸倒実績率」(0.5%~3%程度)相当分を費用計上します。税務上は5.5%を必要経費計上します。なお、金融業など業種によっては異なる係数となります。
B.貸倒懸念債権(個別評価貸金等) : 倒産等には至っていないが危険性が高まった売上債権が対象です。会計上は任意ですが、税務上は50%算入となります。
C.破産更生債権等 : 銀行不渡り、倒産、破産、更生の状況となった得意先の債権は、貸倒れの可能性が極めて高いものとして、破産更生債権等(売上債権とは別の資産とする)として扱われます。会計上・税務上、全額を費用計上することになります。
D.貸倒損失 : 貸倒れが「確実」となったものです。会計上・税務上全額を貸倒損失として計上します。売上債権は消滅し、完結します。

【4.キャッシュフロー計算】
 黒字倒産せぬよう現金の流入を測定できるキャッシュフロー計算書を作成します。売上債権の回収・入金があればキャッシュ・イン・フローとして把握されます。「営業活動のキャッシュフロー」がプラスなら債権回収状況は概ね良いと言えるでしょう。

 ★まとめ
 信頼面などの観点から、「督促状」までに債権回収したいところです。それでもだめなら裁判所も絡む回収となります。与信管理でリスクヘッジし、また、黒字倒産を避けるための税務会計上、一定の配慮があります。

 

○ 収入印紙はどのような書類にいくら貼るのでしょうか?

印紙税法」という法律により細かく規定が決まっております。そもそもなぜ収入印紙なんぞ貼らねばならないのか?気になるところでしょう。「証明書類」の保護のためともされてますが、行政で写しを管理してくれたり、補償してくれるわけでもないので、それはタテマエといえるでしょう。立法の背景もはっきりしませんし、一部2重課税ではないかとの噂もありますが、とりあえず現状は「法律で決まっているので」とさせて下さい。
 詳細は、ネット上では「印紙税法」で検索するか、六法全書「印紙税法 別表第1 課税物件表」を閲覧すると良いでしょう。ここでは、一般の方がよく使う、または、よく見るものだけに着目して紹介したいと思います。
 あと、収入印紙は台紙に貼った後、必ず「消印(けしいん)」することをお忘れなく。消印を忘れると過怠税が課されてしまいます。

【領収書・レシート】
 商品・サービスの対価として得た「売上代金」に対して、商慣習上、領収書やレシートを発行しますが、収入印紙を貼り、消印する義務があります。やはり、なぜ収入印紙なんぞ貼らねばならないのか気になりますね。消費税、法人税、所得税など、2重どころか、多重課税とも噂されますが、誠に遺憾でありながらも、ここでは「法律で決まってますので」とさせて下さい。

・3万円未満・・・非課税(何も貼らなくてよく、消印も当然不要)
・3万円以上100万円以下・・・200円
・100万円超200万円以下・・・400円
・200万円超300万円以下・・・600円
・300万円超500万円以下・・・1,000円
・500万円超1,000万円以下・・・2,000円
・1,000万円超2,000万円以下・・・4,000円
以下省略しますが金額に応じて決められています。
(ひとことメモ)スーパーなどで買物してもいちいちレシートに収入印紙が貼られないのは、3万円未満非課税によるからです。逆に、車や家など高い買物したときに収入印紙や印紙税法の存在に気付かされますよね。

●領収書・レシートの他に、「見積書」や「注文書」、「納品書」、「受領書」なども商慣習上発行しますが、これらは印紙税法の規定には記載がありませんので、収入印紙は貼らなくてよいのでしょう。なぜ領収書だけが?と疑問でしょう。答えはひとつ、「法律ですから」。

領収書・レシート以外にも、「契約書」や「証書」に貼付し消印します。種類・金額に応じて細かく規定されており、利便性のためここでは一部を紹介します。

・家や土地などの不動産譲渡契約書
・土地の権利の譲渡契約書
・いわゆる借金、サラ金などの消費貸借契約書
・絵画などの運送契約書
・建設工事などの業務の請負契約書
・約束手形(受取手形)・・・10万円未満非課税で、あとは領収書に類似。
・会社の定款、会社合併・分割の契約書・・・4万円(一定)
・貨物代表証券・船荷証券(会計でいう未着品)・・・200円(一定)
・生命保険や損害保険などの保険証券・・・200円(一定)
・借金の保証人の債務保証契約書・・・200円(一定)
・配当金領収書・・・200円(一定)
・預貯金の通帳・・・200円(一定)
(ひとことメモ)種類・金額に応じて多岐にわたるため、一部紹介に留めてあります。詳細は、「印紙税法 別表第1 課税物件表」でご確認下さい。

 ★まとめ
 収入印紙の貼付と消印の義務規定は「印紙税法 課税物件表」で細則が定められています。

 

○ 複数項目の関連性を調べたり、選択・行動すべき道を探るにはどうしたらいいですか?

相関係数(そうかんけいすう)」を求めましょう。統計学的手法であり、品質管理、マーケティング、投資分析、経営分析、経済分析、政策立案など実に様々なビジネスシーンで使われる手法です。関係ある・ないを数値化できます。複数の項目の関連性を調査する事ができ、あらゆる分野での「判断材料」としてたいへん有効です。
 数学や統計学のサイトではないので細かい「算式」は省略し、ビジネスとして必要な「かんたんな求め方」、「判断の仕方」を紹介したいと思います。

【かんたんな相関係数の求め方】
1.ツールはもっともメジャーで使いやすいエクセル(Microsoft Excel)がよいでしょう。
2.データのサンプリング方法は測定事前に慎重に選定しましょう。ノイズ(絶対に関連性のない数値)の入りにくい方法を考え、また、各回の測定の仕方を統一しておく必要があります。ノイズとしては、「雑音」や「明らかに悪意のある事象」などがサンプリングデータに含まれてしまったことが挙げられるでしょう。これらまで含めて、適当に収集するとその影響も反映されると、相関係数としては信頼性は低いものとなってしまいます。
3.データの取り方としては、ファクター(変動する要因)として想定されるものは全て測って記録しておきます。誰かがサンプリングしたデータや統計表などから頂いても、ノイズの極めて少ない信頼できるデータなら有効でしょう。
 例1)工業データの場合・・・測定日時|室温|ツール温度|ライン速度|長さ|重さ|性質|担当者|
 例2)マーケティングの場合・・・測定日|場所|商品|売れ行き|クチコミ|客層|性別|年齢|
 例3)政策の場合・・・年|高齢者人口|労働者人口|出生数|GDP|幸福度|
・なお、「担当者」や「商品」などの「文字データ」も全て「数字」に置き換えておくとデータとして使えます
4.上の3.の自分で決めたルールに従って、任意の回数(N回)測定します。N数は大きいほどノイズが削られるため、精度が測定精度がよく、判断材料としても有効性が増します。しかし、ビジネスの現実面からサンプリングコスト・時間も考慮しましょう。分野にもよりますが、目安としては、N=100(つまり100回測定する)以上あればかなりいい精度となるのではないでしょうか。最低でもN=10は欲しいところです。
5.エクセルにデータを打ち込みます。データ部分が全て数字であればOKです。この時点であきらかにノイズの影響が強くでているなら省いてしまった方がいいかもしれません。

【相関係数の算出】
1.エクセルのツールバー(画面上部)の「データ」をクリックしますと、右端に「データ分析」というコマンドが出ますのでクリックします。
2.「分析ツール」が開き、そのコマンドボックスの中から「相関」を選択し、「OK」ボタンをクリックします。
3.「先頭行をラベルとして使用」を選択し、項目も含めてドラックして「入力範囲」の指定をして、「OK」ボタンをクリックします。このとき、「先頭行」は日時などのラベルですから「文字列」データで構わないのですが、それ以外のデータは「数値」でないと計算してくれません。もし、「○・×」、「良・悪」、「担当者:○○」として文字列で測定していたのなら、自分で決めていいので、数値に置き換えましょう。○は「1」、×は「2」のようにです。
4.新しいワークシートに「相関係数の対応表」が作成されるはずです。野球試合などの対戦表みたいなのができますが、これで算出完了です。さて、あとはデータの分析の仕方ですね。

【相関係数での分析】
相関係数は「-1」~「+1」の係数です。「+1」では相関といって、正比例のような関係になります。逆に、「-1」は逆相関といって、反比例のような関係となります。そして、「0」は無相関といって、関連性が全くないことを示します。
 この関連性を見極めて、各分野で応用・判断などがされるわけです。サンプリングした実測値を使った場合、係数がぴったり、「+1」、「-1」、「0」で計算される事はまずないと思っていいでしょう。一般に「相関性がある」というのは+0.7以上の相関係数となるものと思っていいでしょう。個別の関連性はその評価でよいのですが、複数あるなら、注目している事象(1つ)に対して複数の選択事象を比較して検討します。
 例1)品質管理での判断 : 工程異常に対して、ラインスピードが+0.5、担当者+0.1、他はもっと少ないなら、工程異常はラインスピードの速さが原因かもしれないと判断します。
 例2)マーケティング : 売れ行きに対して、高齢女性+0.6、若手男性+0.1なら、高齢女性をターゲットにしようと判断します。
 例3)政策 : 内閣支持率に対して、少子化対策+0.5、税制対策-0.8なら少子化対策を推し進め、税制には触れないのが支持率上昇になると判断します。
★相関係数によって、様々な判断が可能ですが、「倫理」や「勘」みたいなものも判断の重要な要素ですから、複合的に用いましょう。

まとめ
 相関係数を求め、各事象の関連性を算出し、判断材料とすると良いでしょう。

なお、最近では、エクセルにかわって、統計分析・グラフ化のフリーソフトR(アール)や、プログラミング言語であるPython(パイソン)を活用するムードがビジネス界で広がってきていますよ。

 

○ マーケティング戦略・戦術の基本は?

マーケティング・リサーチは以下類型から多角的にアプローチするのが基本です。

【3C】商品の流れとライバルを考慮するためのマーケティング要素です。
 1.Customer/顧客
 2.Competitors/競争相手
 3.Channels/流通チャンネル

【6O】かなり具体的な調査と言えます。販売戦略としては是正するためのデータとなるでしょう。
 1.Occupants/業界での占有率
 2.Objectives/顧客の購買目的
 3.Organization/製造・販売の組織づくり
 4.Operations/製造・販売方法
 5.Occasions/売る機会の十分性
 6.Outlets/販売経路(販路)

【戦略4P】わりと新しめのマーケティング要素でしょう。どちらかというと、マーケット・インの思考が強い要素です。販売戦略の最初の工程と言えるでしょう。
 1.Probing/調査・実態把握
 2.Partitioning/攻略すべき箇所
 3.Prioritizing/優先順位
 4.Positioning/差別化

【戦術4P】昔からある最も基本的なマーケティングの要素です。どちらかというとプロダクト・アウト的思考で、販売戦略の最終工程と言えるでしょう。
 1.Product/商品・製品
 2.Price/商品・製品の価格
 3.Place/売る場所
 4.Promotion/広告・宣伝

【5M】商品・製品の広告・宣伝・プロモーションについてどのようにすべきかアプローチするためのマーケティング要素です。
 1.Mission/商品の役割
 2.Money/設備投資
 3.Message/売り文句
 4.Media/広告媒体
 5.Measurement/効果の測定
★次に、上記のマーケティングの具体例を挙げたいと思います。

【マーケティング要素のサンプリング手法】
「アンケート」 : 顧客への直接聞き取り、街角調査、電話、はがき郵送、FAX、ネットなどがあります。協力者募集のためにはなんらかの「プレゼント」をしないとサンプリングできないので、一定の投資が必要です。なお、このプレゼントを「する」と言っておいて、実際は「していなかった」場合、「景品表示法」違反となりますので、ご注意を。

「実地調査」 : 売り場などの現場に出向いて、観測する方法です。プレゼントは不要ですが、調査員の給与と交通費が必要となり、やはり一定の投資が必要です。

「ディーラー・ヘルプス」 : 大手電器店などでみられる形態でこれもマーケティング手法です。製造会社の営業マンが販売店の店舗でセールスをする行動です。給与は製造企業がもつので、販売店側は大助かりですが、倫理上の問題点が指摘されています。商品の善し悪し以前に、顧客への印象が悪いです。

「試供品」 : 自信のある消費性の商品なら有効でしょう。しかし、多額の出費はさけられませんし、試供の段階で飽きられる可能性もあるので、若干バクチの要素があります。

「デモンストレーション」 : 消費者教育の一環です。顧客に使用方法等を伝えつつ、販売する昔ながらの形態でしょう。

「コンテスト」 : クイズ(チラシやテレビ)でプレゼントとして商品をさしあげたり、商品名を応募させたりしてプロモーションします。

「クチコミ」 : 昔ながらの井戸端会議や職場での噂から、ネットのくちこみサイトまで様々です。顧客かつ素人による実地調査で、素直な感想がそのまま書かれるのが特徴的です。但し、素人ながらの乱文や調査の甘さ、作為的な紹介もあるため、あくまで参考値のひとつとすべきでしょう。なお、「酷評」や「悪意のある誹謗中傷」のクチコミをした(された)場合は裁判による「損害賠償」や「逮捕」もありうるので、書く方も書かれる方も互いに注意が必要です。

「POSシステム」 : 「販売時点情報管理システム」のことです。コンビニではお馴染みで、販売と同時に需給を判断します。「EOS」という「自動発注システム」と連動していることが多いです。なお、設備投資に多額の資金と人員が必要ですので、大手向きと言えるでしょう。

「一方的広告」 : チラシ、ダイレクトメール(DM)、ポスター、ラジオ・テレビCMの総称です。一方的な情報発信であり、相手にどの程度伝わったかわからない点がマイナス点で、しかも、広告代理店やメディアへの多額の出費を要します。20世紀型の広告で、今後は衰退していくことが見込まれます。

「双方向型広告」 : ネットのHPに「アドセンス」として貼られているものがあります。当サイトにも数か所に貼ってあります。顧客がHPを見たり、バナー(広告用アイコン)をクリックすることで購買意欲や顧客行動が詳しくわかり、さらには実際に購入フォームまで誘導する事ができるシステムです。さらにコストもあまりかからない究極のプロモーションといえるでしょう。IT企業各社が参入してきてますが、まだまだ黎明期でさらに利便性が高まるものと思われます。

 ★まとめ
 マーケティングの戦略と戦術は多数ありますが、多角的に組み合わせて、判断・実行します。

 

○ 子どもや部下、後輩のほめ方、しかり方、接し方がわからないのですが?

自分のこども、部下、後輩との接し方がわからないという親や上司は、年々多くなってきたといえるでしょう。中には、第3者から見ると明らかに間違った接し方をしているのに、自分では最善だと思っているような、自覚症状のない重症な人もいます。日本の教育で「こどもを育てる」「部下や後輩を育成する」といったカリキュラムはありませんでしたし、無縁社会化などにより人間関係が疎遠になってきていることもあるので、無理もない事なのかもしれません。スポーツの監督やコーチによる体罰問題や、教師によるアカハラ問題なども浮上してしまいました。
 それでも「よき親」、または、「よき上司」であるためには彼らとの関わり方・接し方に気を使うのは必然といえます。そのためのツールとして「コーチング」が挙げられます。
 息子・娘が不良になってしまった、部下や後輩が辞めてしまったという最悪の結果を避け、予防として、または、手遅れにならないように、早めに「親」または「上司・先輩」である「あなた自身」の態度を先に正しましょう。

<NG集>
 まずは、自分のなにがいけなかったかを客観的に知りましょう。
【親子の接し方編】
●お母さんにありがちなNG
・やっていいこと、いけないことを教えるときに「○○してはいけないよ」とだけ言う。
・たとえ他所の人に迷惑をかけていても、怒らないし、しからない。お母さん自身、他所の人にあやまらない。
・本人でさえ忘れた頃にしかる。思い出したようにしかる。
・しかる時に「お父さんに言いつけるから!」という。または神仏などからの制裁があるようなことを言う。
・ねちっこく叱り続ける。遠まわしに言う。
・常に叱っている(ように見える)。
・過剰にほめている。常時ほめている。
・よその子と比較する。
・お母さん自身の自己評価ができていない。

●お父さんにありがちなNG
・ぼやくように事前に諭そうとする。「そんな無駄はやめておけ」
・お父さん自身が諦めている。長いものに巻かれようとする。
・普段から、べらべらと口をきく。誹謗中傷的な発言が多い。男を下げている。
・子供や家族にあまり関心が無い。期待も特にしていない。休日はひとりでさっさとパチンコや競馬などに出かけてしまう。
・口でしかる前に手が出る。殴る、蹴る以外にもハラスメントなどのDVをする。
・常に叱っている(ように見える)。
・ほめなさすぎ。叱るほど、伸びると思っている。
・キレるように叱る。怒鳴る。

【上司と部下、先輩と後輩の関係編】
●上司・先輩にありがちなNG
・世襲などの影響で、自分自身が部下(後輩)であった下積み時代が短い、又は、経験が浅い。
・出世する気が無いのに、人の上に立ってしまった。ゆえに、部下(後輩)を育てる気が無い、又は感じられない。
・基本的にほめない。褒めたら負けだと思っている。一方で、自分の上司(先輩)にはおべっかを使う。
・部下を「自分より目下の人間」と思っている。敬称をつけないで部下(後輩)を呼ぶ。
・常に叱っている(ように見える)。マイナス点ばかりつついて、萎縮させたりする。
・ボヤキや愚痴、誹謗中傷的な発言が多い。
・褒め方が下手。お世辞どころか、イヤミやセクハラなどにさえ聞こえてしまう。
・部下(後輩)からの報復を恐れて叱れない。いい上司(先輩)か、少なくとも友好的であろうとする。
・部下と部下を比較しながら、諭そうとしたり、叱ったりする。
・「俺が黙っていても、上が黙っちゃいない」とさらに上司をダシにして叱る。
・査定や降格、左遷をネタに脅す。
・パワハラなどハラスメントの領域に手を染めている。
・笑顔がさわやかではない。基本的に笑わない。鼓舞しない。
・「来るもの拒まず、去る者追わず」、「辞めちまえ」などの言葉を放つ。さらに、周りに聞こえるように言う。
・上司(先輩)自身の力量を自己評価できていない。

★NGの共通点をまとめると、以下のようになります。
(1)叱れない。叱り方が下手・苦手。叱り方の5W1Hが不適切。
(2)褒めれない。褒め方が下手・苦手。褒め方の5W1Hが不適切。
(3)自分の責任や立場、権限、力量を勘違いして接している。
(4)接し方以外に、普段からの態度や姿勢、考え方に問題がある。
(5)人間的に大きな問題があり、コーチングの領域を超えている状況。

★「コーチング」の手法を用いながら、上の(1)~(5)別に対処法を挙げたいと思います。

前ページの(1)~(5)の類型別に説明します。なお、数字が大きいほど、重症な状況です。

<類型別のコーチングによる対処法>

(1)叱れない。叱り方が下手・苦手。叱り方の5W1Hが不適切。
・非定形式(○○するな!)で叱るのではなく、肯定形式(○○のようにしようね)と諭す。
・細則主義ではなく、原則主義で。日本の会社法違反(粉飾など)が多いのもこれが原因と言っても過言ではない。評価について、こまかすぎる適用条件を決めないで、大枠として大原則を示すのみが好ましい。
・叱った理由を必ずつける。なぜ叱責されたのか理解してもらわないと怨恨だけが残る。理由をつけてこそ、初めて愛のムチとなる。
・むやみやたらと叱らない。失敗のグレード毎に応じた適切な表現をとる。初回のミス、些細なミスはやさしく諭し、モラル違反、社則違反は始末書の上、叱責というような緩急をつける。なお、常にキレている上司ほど、後々大問題を起こす部下を多く抱えることになります。
・叱るのと、「キレる・怒る」は全く違う。キレたらあなたの負け。すぐに「熱くなって、申し訳なかった」と謝ってください。叱るのはそれからです。
・タイムリーにその場で叱って全て完結。2度は触れない。ハイ、あとはスッキリ、さわやかに。
・叱った後は、その人の良い点を言ってフォローするか、むしろ褒める。「苦言を呈したが、もともと君は能力が高いんだから大丈夫だよ。」など。
・自分の上司にもモノ申しているところを部下にあえて見せる。
・事前に悟らせられなかったことについて、自分も反省する。
・全人格を否定するような追い詰める叱り方をしてはいけない。人格は守りながら、叱ってみる。「今回は、君らしくなかったね。」など。
・他者と比較して叱っては絶対にイケナイ。「A君はすごいのに、おまえときたら」は最悪。あくまで、一人一人に対処する感じが大切。「君はすでにこの分野のプロなんだよ」は力量を認めてもいるのでOK。
・メールや文書などで叱らないこと。永遠に残るので、怨恨の元です。
・叱るのに、酒の力は借りない事。
・子供や部下の出掛けに叱らない事。むしろ、鼓舞するため、褒めるか、「行って来い」のニコポンで。

(2)褒めれない。褒め方が下手・苦手。褒め方の5W1Hが不適切。
・褒める事を恥ずかしく思わないこと。苦手な人は、1日叱らず、褒めるだけのトレーニングデイを設けてみよう。挨拶程度に、まずは気軽に褒めてみよう。
・些細なことでも、さりげなく褒め称えてみよう。「この書類よくまとまっているね。やるじゃん。」など。
・ニコニコして、肩をポンとやる。通称「ニコポン」。但し、相手や雰囲気を見る事。
・タイムリーに褒めつつ、事ある毎に思いだして褒めてもよい。叱るのは1度きりだが、褒めるのは同じネタでいつ何度でも良い。但し、飽きられない様、パターンは変えよう。
・緩急をつけて褒める。成功の程度に比例して褒めてみる。最近の若者は金銭ではなく、あなたからの褒め言葉や名誉を求めている場合も多いですよ。
・本心から、感謝と愛情をこめて、褒める、ねぎらう。子供や部下への接し方は、これにつきます。

(3)自分の責任や立場、権限、力量を勘違いして接している。
・自分の立ち位置を把握し、責任と権限の及ぶ範囲を常に把握して褒めたり、叱ったりしょう。但し、時には範囲外の人も褒めたり、叱ったりすることもあります。
・自己評価もしなければいけません。自分の事もよくわかっていないのに、相手の事をどうこう言っても説得力ゼロで、怨恨だけ残るからです。
・叱った事を他人のせいにしてはいけません。自分の責任と裁量の下で叱ったことをきちんと伝えましょう。諸刃の剣で自分も痛いですが、両者ともが成長できます。

(4)接し方以外に、普段からの態度や姿勢、考え方に問題がある。
・子どもや部下は、普段からあなたの行動や言動を細かくチェックしています。普段からだらしがなかったり、キレていたりだと、いざ叱るとき、褒めるときの効果は薄いでしょう。
・尊敬している人からの褒めや叱りは効果が大きいです。逆に、軽蔑している人からの褒めや叱りは効果が無いか、または、逆効果(反発)になってしまったりします。よって常時、子どもや部下以上の努力が必要です。

(5)人間的に大きな問題があり、コーチングの領域を超えている状況。
・例示で、育児放棄、脅し、暴力、ハラスメント、体罰、DVなどで引っかかった方はこちらです。自覚症状がない人も多いのもこの段階の人達です。残念ながら、コーチングの領域以前の問題で、人としてどうかの問題です。
 民法上、「親」は辞められませんから、市町村の「DV・生活相談窓口」などに自ら連絡するとか、自分自身が「精神科」「心療内科」に通院するなどの方法で改善できるかもしれません。「躁病(そうびょう)」というキレやすい、怒りっぽい症状がでやすい病気もあるそうです。有効な治療法、お薬もあるので、お子さんだけでなく、自分のためにも早めの受診が理想的です。
 「上司・先輩」であれば、自分の意思表示で組織を辞められます。どうしても自らを正す事ができない、改善できない、する気が無いのであれば、自ら組織を去る決断もやむを得ないでしょう。組織でなくとも個人で生きる道はたくさんあります。

★まとめ
 「コーチング」の手法を駆使して、「ひと」との接し方を改めて学びましょう。

 

○ 組織の不祥事の責任は誰が、いつ、どのようにとるべきでしょうか?

巨大企業から、中小零細企業まで、国家から地方行政の場まで、教育委員会から1学校まで、メディア・芸能団体から1アイドルグループまで、組織とあれば不祥事が絶えない昨今です。
   ひとくちに不祥事と言っても色々あります。法令違反、社内規定違反、コンプライアンス(倫理)問題、感情論など様々です。学問上では「失敗学」としてまとめられています。しかし、実務遂行上はこれら不祥事が起き得ることが、前提としてあまり意識されていないため、いきなり問題が大きくなる傾向があります。

 そんな組織の不祥事の責任を誰がどのようにとるべきなのでしょうか?

 <江戸時代・武士の責任の取り方>
 かつて武士の不祥事は、不祥事を起こした本人の「切腹」で責任をとるものとされていました。タイミングは、自分が責任を感じた直後~数日後、ないしは、組織の長からの切腹命令の時点で実施されていました。死をもって責任をとる、それで免罪という文化です。現代人の自殺とは全くの別物です。本人は死んでしまいますが、不祥事の失態もそこまでで、むしろ武士としての面子やさらなる責任の連鎖は防げるものでした。それだけ不祥事を起こすこと自体への警戒も強かった事を意味します。切腹を例示したのはオーバーだったかもしれませんが、ビジネスの前提として不祥事を起こさないことが重要視されていたことは、現代人も大切にするべき考え方なのではないでしょうか。

 <不祥事に関する現在の法律>
 江戸時代と違い、現代の法律では特に不祥事のケースに応じた責任者とその責任の取り方についての規定は存在しません。刑事・民事裁判になれば、過去の事例を基に個別に判決が下るというのはあります。しかし、不祥事が必ずしも裁判沙汰になるとは限らず、組織内部で自己流の責任の取り方(世論の動きを見て組織の長がサジ加減)をしているケースが大半です。このように不祥事については、現在無法状態であるといわざるを得ません。

 <現代の慣習から導く結論>
 法律がない以上、現代の商慣習で行われている最も妥当な方法を模索するしかありません。最も妥当で納得のいくと考えられるのは、以下の時点・方法でしょう。

不祥事を起こした本人及びその組織の直系上司全員に対し、不祥事が内部で判明した時点で、「辞任」の形で責任をとらせる。

 「不祥事」ですから、当然、大がかりなものに限られます。「業務上過失」、すなわち実務を真面目に行っていった際のやむを得ないミス、は含めません。実務家が実務を遂行するのに委縮しても経済上問題です。悪意・故意の有無がキーポイントとなります。悪意のある不祥事は、その大小を問わず、すべて「辞めてもらう」形をとります。本人はもちろん、その直列の上司のすべてが管理能力の無さの責任をとるのです。今の政治家(屋)の人達は、世間一般からみれば頼りなく見えますが、それでも不祥事がおきたら「辞任」していますので、一定の筋だけは通っています。このように、現代社会では「辞める」ことでしか責任は取れないはずです。

 最近の事例で考えてみましょう。
・企業年金流出問題・・・受託企業の長が辞任しましたが、委託先団体も責任をとって辞任すべきと考えられます。
・止まらない警官の不祥事・・・警官による不祥事が絶えませんが、本人の減給ではなく、本人から上司、本部長までの辞任が筋だと考えられます。
・行政担当者による個人情報流出・・・謝罪ですませていますが、大きな問題です。中には売買にからんでいるものも少なくないとか。本人から区長などの組織の長までの辞任が妥当と考えれます。
・公務員の痴漢行為・・・大抵本人の依願退職となっていますが、ふてぶてしいのもいて、減給だけで済まそうとするケースもあったりします。やはり、これについても、本人から組織の長まで辞任する形をとるべきと思われます。
・教師やスポーツ団体による体罰問題・・・その教師・監督だけでなく、教育委員会委員長や団体の長も責任をとって「辞任」すべきと考えられます。
・高所得芸能人の家族が生活保護を受けていた問題・・・謝罪ではなく、本人及び所属団体の長は芸能界を去るべきでした。
・アイドルグループの内部規定違反・・・本人だけでなく、そのプロデューサーも「辞任」すべきと考えられます。
★いずれにしても、世間への悪影響は大きいものです。1個人ではなく、組織全体で責任をとる姿勢が求められます。
 現代人の不祥事を起こすことへの危機感が足りていないことから、毎日のように大型の不祥事が発覚したりしています。江戸時代の武士のように常に不祥事を起こさないよう気を張っておくことが大切ですね。

 

○ 責任のない・低い・薄い仕事ありませんか?(逆に責任重大の仕事は?)

ひとくちに「責任」といっても様々な考え方があると思います。まず、このページでは「責任」の範囲を定義したいと思います。私生活の責任はここでは含めません。あくまでビジネス上の責任です。
 また、なにかトラブルや不祥事があった場合、自部門内又は個人の責任にどとまり、外部に対して大きな処置をとらない組織等は、「責任が低い」又は「責任がない」と考え、範囲を定めたいと思います。
 逆に、なにかトラブルや不祥事があった場合、自部門が犯したものでなくとも組織を代表して、外部に対して大きな処置を行う組織・職域が「責任重大」と考え、範囲を定めます。

<責任重大の仕事!>
 責任の薄い仕事、責任を取らなくて済む仕事を論ずる前に、逆に、責任を取るのがメインの仕事があることを知って頂きたいと思います。

【品質保障・品質管理の仕事】
 品質畑の仕事は、責任重大です。1消費者のささいなクレームから、大型の不祥事まで全て任されます。ヘマをやると、多額の賠償金が出ていったり、会社がつぶれるなんてことも珍しくありません。主に中堅以上の製造業や販売業の会社に存在する部署です。特に、大企業・製造業では工場単位に品質に関する部署があります。顧客満足度(CS)の時代、お客様に反感を買わない様に気をつかっているのかが伝わってきます。中小・零細企業やSOHOは社長・代表が自ら行うのがふつうです。
 品質課にトラブル情報が持ち込まれたら、発生原因の調査から再発防止対策まで一貫して行います。社内では関係部署に再発防止を促し、外部へは陳謝と報告書提出を行います。頭を下げるのは日常茶飯事で、常に外部の人に怒られている印象の強い職場です。

 この部署に配属されると、あまり出世は望めなくなります。せいぜい品質部門の執行役員が限界でしょう。営業と違ってコスト部門で、かつ、掃除屋的な後ろ向きな仕事になりがちだからかもしれません。学会、セミナーや接待、懇親会などの機会には乏しく、有効な人脈をつくることも難しい立場に置かれてしまいます。自社商品のスペシャリストになる分、転職や起業にも直接役に立たない職歴となり、人間的にかなり追い込まれます。
 また、「左遷」を意味する人事をされたりもします。例えば、研究・開発をしていた社員が成績が振るわなくなったら、品質保証部送りにするといった具合です。製造業では、研究開発部門とは比較にならない位、品質管理部門の担当者の離職率は高いものとなっています。

 ひとつだけ良いことがあるとすれば、他部門よりも「給料が高く」なりがちなことでしょうか?基本的に突発業務への対応となりますので、残業はいくらしてもOK!土日出勤手当がもらえる!ガンガン出張する部門で、出張手当がもらえる!というメリットも実はあります。20代でもかなりの収入が見込め、中堅社員の同期比較では最も給与総額が高くなることでしょう。不本意に品質課送りにされたのなら、30~40歳までになにか別の強力な国家資格(税理士など)を同時に狙って、中年までに辞めて独立するのも手かもしれませんね。
 もちろん、品質畑が居心地いいという人もいました。その方は、自らを「必殺仕事人」「しんがり」といってました。会社として「後片付け役」「裏方」は絶対に必須ですし、それ故にサラリーマンとしては手堅いため、安泰な仕事と言えるでしょう。リストラにもあいにくい感があります。

 以上のように「責任を取る」ことが仕事の部署もあることを知っておいて下さい。責任を取りたくないあなたには参考になるはず(?)でしょう。

★さて、責任の薄い・低い・ない仕事を考えてみましょう。

<責任の(実質的に)薄い仕事>
 それなりの報酬が見込めますが、他部門の責任を代行したり、大きな責任を取るケースは実質的に見受けられていない(本当は取るべきですが)仕事を紹介します。

【組織の名誉職】
 会社でいえば「会長」、独立行政法人などでいえば「理事長」という地位にいる人達です。当然、なるのは難しいです。過去の功績などで、「組織の顔」「イメージ」として祭り上げられる必要性があります。
 業務の執行は、執行役員以下「従業員」が行いますので、一般的な仕事といえる仕事はしません。当然、今回の論点の「責任」についても、品質保証部の担当者などの「部下」が取ってくれています。但し、重大な不祥事の場合、「辞める」ことで責任をとるケースもあり得ます。しかし、その会社を辞めるだけです。大抵、会長職についているひとは、他の会社の役員も兼務していて、収入がありますから、生活面では苦慮しません。よって、実質的には責任を取らない人達と言えるでしょう。

【公務員(特に事務方)】
 実質的に責任の薄い仕事といえるでしょう。もしかしたら、皆さんもお役所の窓口などで経験されたのでは?
 例えば、私の場合。引越しが多かったので、A市とB市から、住民税が2重課税されそうになったことがありました。「住民税」とは、賦課課税方式という、お役所が勝手に計算して納税通知書を送りつけてくる税金です。誤りだったB市の市税課の担当者は「あ、これ、2重課税ですね~♪間違ってますね~」などといい、謝るそぶりは全くありませんでした。
 後日、「申請受理」「了承・認定」「還付する」などと書かれた封書だけがきました。当然、「申し訳ありませんでした」のひとこともなく、ここにも上から目線の文言しかかかれていませんでした。
 もっともこれだけではないのですが、書くときりがないくらい、本当は挙げられます。
 皆さんもご存じとは思いますが、最近起きた大きな不祥事や予算の執行ミスなどをみても、誰ひとりとして「辞めません」。このように、「責任を実質的に取らない」組織だということが言えます。

<責任のない仕事>
 本質的に責任のない仕事を挙げたいと思います。上記、「責任の薄い仕事」では、本当は責任があるにも関わらず、実質的に取っていないだけにすぎませんでした。これに対し、その仕事の性質として、責任を取る必要がない仕事を挙げたいと思います。

【アフリエイト】
 当サイトもそうなのかもしれません。WEB上に、コンテンツをアップロードし、その中に広告を含めます。一定の収入は見込めますが、一般に、顧客と直に対話したり、販売したりは一切しません。ゆえに、責任を取る事が器質的にないということになります。責任をとることがないという意味で、これまでの職業観と180度見方の変わったビジネス展開が可能です。新時代の仕事と言えるでしょう。

★まとめ
 責任重大の仕事と、責任の薄い仕事、責任のない仕事を紹介しました。なお、今回登場してこなかった職業は、責任という点では、重いとも軽いとも言えない「中間的」色合いということになります。個別に検討する必要があるでしょう。

 

  

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