あらた先生
あらた先生が解説します!

○ 損益計算書(又は包括利益計算書)を作って、いろんな利益を報告しているのはなぜですか?

 企業を巡る様々なステークホルダー意思決定有用性に応えるためディスクロージャしていると言えるでしょう。
 損益計算書(P/L)を作成し、報告するのは、企業や個人事業主の経営成績を明らかにするためです。
 損益法に基づいて作成し、経営の成果である収益と、経営上の努力である費用対応する形で計上され、その結果、数種類の利益が計算されます。この利益1つひとつがどのように役立つかは、見る人の立場によって異なるということです。このように、ステークホルダーによって、P/L上見るところが異なるため、利益を区分し、概観性を保ちつつも詳細に記載されているのです。ここでは、P/L内の各利益の紹介となぜ表示するのかを以下に記載します。

売上高総利益(粗利) : 売上高から売上原価を控除したものです。本業のもうけを知るためですが、そのうち、売上高に対して費用収益の対応関係が直接的である棚卸資産の売上原価という変動費を差し引き、比例関係にある本業中の本業のもうけの部分を表示したいからです。
営業利益 : 粗利から販売費及び一般管理費を控除したものです。これも本業のもうけを表示するためです。粗利からさらに、売上高に対して費用収益の対応関係が間接的であり、人件費や業務上の経費など本業を営む上でも欠かせない販売費及び一般管理費という固定費を差し引いています。一般に本業のもうけとはこの営業利益を指すことが多いです。
経常利益(ケイツネ) : 営業利益から営業外収益と営業外費用を加味したものです。正常な収益力を表示するためです。経常的に会社のもうける力を示すことができ、投資家が来期もこれ位もうけてくれるだろうという業績判断として使う意思決定有用性のある情報を提供することができます。なお、営業利益に、利息など本業以外で経常的な収益、費用を加味することになります。なお、かつてはここまで表示すればよいことになっておりました。
当期純利益 : 経常利益に特別損益を加味したものです。処分可能利益の増加分を表示するためです。ケイツネからさらに前期損益修正を加味して算出します。損益法の最終工程ともいえます。投資家はこの会社に出資したならこれ位配当金くれるだろうという報酬の源泉として、意思決定有用性のある情報を提供することができます。IFRSのアドプション云々ありますが、日本ではやはりこの情報が最も重要とされており、包括利益導入後も表示され、重要性は不動のものでしょう。
包括利益 : 当期純利益にその他の包括利益を加味したものです。当期純利益と純資産のクリーンサープラス関係が成立せず、新たに包括利益という概念を導入して純資産とのクリーンサープラス関係成立を図ったためです。その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益のように純資産直入項目がでてきたので、純資産を株主資本とそれ以外に分けて広義の連携を図りましたが、IFRSのアドプションもあり、包括利益計算書上で純資産の変動を報告するためにも、狭義の連携から必要となりました。企業全体の事業活動について検討するのに役立つから、また、財務諸表の理解可能性と比較可能性を高めるからともあります。

ステークホルダーは実に様々です。現在の日本の会計観としては、その中でも「投資家」を最重要視しています。よって、ケイツネや当期純利益が重んじられるわけです。他にも、債権者(銀行など)、取引先(得意先、仕入先)、税務署、経営者・経理部、従業員、就職希望者などで、それぞれ財務諸表の見方や期待する点が立場によって異なります。IFRSアドプションで、さらに拡大するでしょう。

まとめ
 損益計算書の各利益毎にそれを重要視する様々なステークホルダー存在するのです。中でも、日本の会計は「投資家」を最重要視しているといえるでしょう。

 

○ 資産・負債を貸借対照表に載せる、載せないで論議するのはなぜですか?

●オンバランスの論拠 : 大原則
   貸借対照表完全性の原則から、資産性・負債性のあるものはもれなく貸借対照表(B/S)に記載しなくてはならないとされていることを論拠としています。これは、重要性の原則の「重要性の高いものは厳密な会計処理・表示が要請される」という解釈と、正規の簿記の原則のうち「網羅性」によることからも導かれます。
 載せるべきものを載せなかったら、裏帳簿とか簿外資産・負債とされ、「不正会計」と指摘されるというわけです。特に、時価主義をとる金融資産へは厳しい視線がそそがれています。「A社の消えた年金問題」や「O社の有価証券問題(損失を大きく出した株を租税回避地の子会社へ意図的に隠した事件)」が記憶に新しいところでしょうか。ステークホルダー(特に株主)への直接的な損害・信用失墜が生じます。
 どちらにしても、IFRSアドプションにより、「資産負債法」など時価評価が中心の資産負債中心観・資産負債アプローチに変遷してきており、「B/Sを見ればわかる」ことは、これまでより重要な考え方となることでしょう。

●オフバランスの論拠 : 例外
 上記で、会社のすべての資産・負債を計上すべきとしました。
 しかし一方で、重要性の原則の解釈のうち「重要性の乏しいものは簡便な処理・表示によることが容認される」というのもあり、オンバランスの論拠の例外的扱いとして、あえてB/Sに載せないとするからです。科目として細かくしすぎたとか、金額として僅少だといった重要性の乏しいものまで詳細に記載すると、かえってステークホルダーへの誤解を生じさせかねないため、簿外資産・簿外負債も場合によっては特例的にOKとされるからです。これを「概観性の確保」といって、ある程度、カテゴリーごとにまとめることも大切にする考え方です。
 上場企業のB/Sに、ボールペン黒100円、青100円、消しゴム50円、、、という具合に消耗品1つ1つ全部記載したらかえって財務分析できないですよね、ということです。

★特殊な解釈 : 例外中のさらに例外
・ファイナンス・リース取引では、法的には賃貸借でも会計的・経済的には買ってきたのと同じとみます。法律だけで考えると、賃貸借契約ですから、資産も負債も生じず、貸借対照表には載せるべきではないと考えられるはずです。しかし、会計上は買ってきたものとして、(借方)リース資産(貸方)リース債務 という仕訳をきり、オンバランスします。
・退職給付会計には「年金資産」という資産と名がつくものが登場します。この年金資産は退職給付のためにのみ利用されることが法律で定められています。よって、他の業務からくる一般の資産と区別しないと、ステークホルダーに誤解を生じてしまうので、あえて「オフバランス」とすることにされています。
*なお、個々の実態に即して、載せる・載せないが議論されており、今後IFRSのアドプションによってはまたガラリと変わることも考えられます。

★このように、会計では、オンバランス・オフバランス、貸借対照表能力がある・ないという言い回しがあります。

資産・負債を貸借対照表に載せる事を「オンバランス」といい、載せる事ができる状況を「貸借対照表能力がある」といいます。
 逆に、資産・負債を貸借対照表に載せない事を「オフバランス」といい、載せる事ができない状況を「貸借対照表能力がない」といいます。

  ★まとめ
 オンバランスの論拠は正規の簿記の原則の網羅性と貸借対照表完全性の原則です。そして、オフバランスの論拠は重要性の原則の容認からきています。さらに例外もあります。

 

○ 収益の計上で実現主義をとるのはなぜですか?

実現主義とは、収益計上の原則的概念とされており、財貨又は用役の移転、及び貨幣性資産の取得があった際に収益計上するというものです。採用の理由は以下の通りです。

1.利益操作(粉飾・逆粉飾)させないためです。クリーンで誤解のないディスクロージャーが求められるため、無い利益を有る様に見せり、有る利益を無いように見せたりするのはNGと言う事になります。特に、投資家にとっては重要なポイントとなります。
2.客観性と立証可能性を兼ね備えているためです。売上げの際に、領収証やレシートを渡すのはこのためです。
3.内部利益や未実現収益を排除するためです。1.と違って悪意がなくとも、子会社や部門間での内部取引による影響は相殺して除去されます。
4.継続企業の公準によるためです。貨幣性資産の取得という裏付けや根拠のない収益を計上すると、配当や税金の支払いで資金が社外流出し、会社の存続に影響するからとも考えられます。
5.販売・検収という経済的実態を適切に反映できるからです。日本の会社では出荷の時点で収益計上する「出荷基準」がメジャーですが、IFRSアドプション後はNGになるはずです。面倒ですが、得意先との検収確認が必要となります。
6.実現主義で収益計上し、計算した利益の性質として、業績指標性も処分可能性も満たすからと言えます。経営管理や投資指標、配当性向の分析など幅広く利用できるデータとなります。
7.概念フレームワークでいう「投資のリスクからの解放」という概念と調和するからとも言えます。IFRSアドプションとも調和します。
 以上のように、視点によって理由を多数挙げられ、発生主義や現金主義などよりも収益計上においては優れているとされるため、実現主義が採用されるのです。

取引によっては実現主義を取らない場合もあります。請負工事契約の工事進行基準や、割賦販売の回収基準・回収期限到来基準など、取引の実態を示すためあえて実現主義によらない場合もあるわけです。

 

○ 資産を取り崩すように費用化するのはなぜですか?

資産のうち、「費用性資産」といわれているものは、取得原価を当期の費用(費消原価)と資産としての残額(簿価・未費消原価)とに期間配分する費用配分の原則が適用されるからです。
 
 資産価額を一時に全額費用計上すると、「正常な収益力」を知ることができず、適正な期間損益計算もできません。よって、発生主義を根底として、費用を各期間に適切に配分するのです。
 なお、このような考え方から派生して、費用配分の原則と費用収益対応の原則は一対の関係があるとも考えられます。

 費用性資産の例としては、建物や車両などの「固定資産」、商品や製品などの「棚卸資産」が挙げられます。
 固定資産では、「減価償却」として資産の費用化がされます。耐用年数などの償却基準を見積る形式での予見計算ではありますが、毎期計画的に計上されます。商品販売業では損益計算書では販売費一般管理費に計上され、収益とは間接的な関係にあるとされます。製品製造業では製造原価報告書の経費として計上されるため、収益と直接的関係となります。
 棚卸資産では、継続記録法を軸に、期末の実地棚卸による棚卸法がフォローして管理し、原価と資産として残る部分に区分されます。費用化した部分は売上原価に算入され、収益とは直接的な関係になります。

投資家は経常利益(ケイツネ)を見て、業績判断します。ケイツネが正常な収益力を示している事が求められるため、適切な期間損益計算を行うことから、発生主義・費用配分の原則の適用が重要視されます。

 

○ 棚卸資産と固定設備資産では配分の仕方が違うのはなぜですか?

棚卸資産は販売資産で、払い出しによる物量的費消により売上と直接対応で費用化します。継続記録法と棚卸法によって、費用配分します。
 一方、固定設備資産は使用資産で、価値の費消により間接対応で費用化します。減価償却という計画的な予見計算によります。
 このように、販売資産か使用資産であるかが費用化の違いの原因です。
 どちらも会計方針を定めて注記した上、処理方法を適用する意味では実に計画的ですが、測定されるデータの規則性が前者にはなく、後者には規則性がある点も違いますよね。 

共通しているのは、費用配分の原則により、当期の費消分(費消原価)と当期末の簿価(未費消原価)に期間配分する点です。

 

○ 資産を取得原価で評価したり、時価で評価したり、ものによって異なるのはなぜですか?

資産の投資の目的による区分として、事業資産と金融資産にわけますが、それぞれ評価のされ方が異なるためです。

事業資産の評価 : 取得原価
 事前に期待される投資の成果が事業活動により貨幣性資産を得ることですので、時価があってもそれで評価することは妥当ではなく、むしろ資産の売却のようにこれら資産にとってリスクから解放されるまでは、客観的で、かつ分配可能利益計算のベースとなる取得原価のままとすべきだからです。なお、資産の大部分は取得原価主義をとっています。

金融資産の評価 : 時価評価
 事前に期待される投資の成果が時価の変動により利益を得ることですので、時価と時価の変動が重要となるためです。実現可能概念もこれを後押ししていると考えられます。活発な市場がないと評価できず、結局原価法をとることもありますね。

★具体例としてどのようなものに分類されるのでしょう?

●事業用資産の一例 : 固定資産、棚卸資産、関係会社株式、長期貸付金
●金融資産の一例 : 売買目的有価証券、投資有価証券のうち時価のあるもの、デリバティブ資産、トレーディング目的の棚卸資産(コモディティ)

まとめ
 投資の目的の違いによるからです。

 

○ 修繕引当金を負債計上するのをやめようとしているのはなぜ?

引当金のなかでも純会計的負債とされていて、将来の支払い義務を負うものと法律ではされていないものであり、その中でも、修繕引当金は、経営者による修繕計画の中止も容易で、利益操作に悪用されかねないからです。

前期: 経営者「次期の工事に備えて計上しておこう!」
修繕引当金繰入 100 / 修繕引当金 100
 当期: 経営者「当期純利益で赤字が見込まれそうだ。私の評価が下がる!株主からなんといわれるか。」

→「よし。工事は延期だ。修繕引当金を取り崩して収益としろ!」
修繕引当金 100 / 修繕引当金戻入(特別利益) 100
 こうなると恣意的な利益の捻出となり、経営者の背任行為(逮捕?)となるわけです。

 

○ ところで、「ポイント引当金」はご存知でしょうか?

ところで、「修繕引当金」の廃止論に加え、「ポイント引当金」の負債計上もなくなるのではないかとされます。
 これは義務の論点ではなく、ポイント商法のブームが去り、IFRSアドプションとなると売り上げから控除する形式で表示しなければならないため、企業にとってメリットがいよいよなくなりつつあるからです。よって、今後もポイント制度を採用する会社は減ってゆく事でしょう。

まとめ
 修繕引当金は、「義務」の論点から廃止が検討されています。また、ポイント引当金はIFRSでの売り上げからの控除とする規定と、ポイント制度の衰退から、負債計上としないことが検討されています。

 

○ なぜ、毎年のように新しい会計基準が公表されるのですか?ついて行くだけでたいへんなんですけど。

なぜ、毎年のように新しい会計基準が公表されるのですか?ついて行くだけでたいへんなんですけど?

IFRSとのコンバージェンスのため、会計ビックバンよりここ10年位で新基準立ち上げを急いだからです。
 現在、日本の会計水準はIFRSサイドいわく重要な乖離はないとされる水準にまで達したそうですが、それでも結局、アドプションとなりそうな雰囲気です。それに配慮してか、概念フレームワークというものも日本版が作られ、新基準がどんどん出てきても、コストを少なく、多少は理解して対応しやすくなるはずだということになっています。

 ●コンバージェンス(収斂・しゅうれん) : 日本の会計基準を制定改廃して、IFRSの会計水準との差異を埋めるアプローチ
 ●アドプション(強制適用) : IFRSの会計基準をそのまま導入するアプローチ。当面の間は、中小企業や個人事業主は、企業会計基準通りとするもの。

個人事業主の青色申告と経理にはほとんど影響はないですので、ご安心ください。IFRSの適用は上場企業とその関連会社に限られることと、なにより税金はあくまで日本ルールでされるからです。
 大企業、特に上場企業の経理部は大変です。毎年とっかえひっかえですからたまりません。 

 

○ 日本の会計基準は細則主義ですが、IFRSが原則主義をとるのはなぜですか?

日本のように「細則主義」(詳細な罰則規定だが、記載のない事は問題とすることができない)をとると、ルールブックがいたずらに分厚くなった上に、グレーゾーン的な法律の抜け目をついたような不正会計も横行してしまったからです。
 この細則主義の問題は、会計の世界だけではありません。近年では、脱法ハーブで注目を浴びている「薬事法(薬物の化学式)」違反の問題や、無免許者の交通事故の罪の程度の解釈問題などがありました。
 重大な事件の方が、かえってグレーゾーンが生じやすくなっている状況であり、ようやっと問題視され始めてきています。
 会計での問題では、米国のエンロン事件が最も有名ですが、日本でもグレーゾーンをついた不正会計事件は後を絶たない現状です。特に「有価証券報告書」に関する会計基準の違反行為が多い状況です。

  そこで、細かい部分は、会社や経理部の「裁量」にまかせる代わりに、「大原則」からそれることは絶対に許さないこととしたのが、「原則主義」です。

<では、日本の上場企業に導入するとどうなる?>
 これには社員総動員でのIFRSの理解とモラルの徹底が必要です。さらに、コストも相当なものになるとみられています。
 特に経理等の会計屋さんには、なぜそう経理したか?どうしてこの測定値なったか?まで説明することが要求され、より高度な知識と経験が不可欠となります。
 今までは経理部がよその部門に協力要請するといったら、期末在庫棚卸の実地調査くらいだったかと思いますが、IFRS導入後は、全社的な経理部へのサポートが必要になってきます。
 例えば、上場企業では、以下のような対応が必要となるでしょう。
・営業部SCM部は得意先の商品検収状況を把握し、経理部に逐一報告する
・または、得意先との検収状況をネットでつなぐなど、情報システム部がインフラ構築する
・生産技術部は固定設備資産の適正な耐用年数の見積もりをして、経理部に報告する
・人事・労務部は有給休暇取得率の把握し、経理部に報告する。
・上場企業の幹部はもちろん、経理部以外の各部の中堅社員も全員、会計知識(IFRS)を理解しておく必要がある
 もちろん、各部、本業での成果も求められるので、たいへんです。そしてその追加労力はやはり残業代や資格手当に転化するので、コストもIFRSで増大することになります。
 あれ?これって、、、。近年、会社で導入されてきているものといえば、他の何かに似ていますね。そうです、ISO(アイ・エス・オー)です。このように、全社的理解と自主管理が主となるため、よりコストが掛かるようになります。

★このように、上場企業はたいへんらしいです。では、個人事業主や中小企業はどうなるのでしょう?

個人事業主の青色申告と中小企業(上場企業と提携関係にない場合)には全く影響はないですので、ご安心ください。IFRSの適用は上場企業とその関連会社に限られることと、なにより税金はあくまで日本ルールでされるからです。

その点、これからの上場企業の経理部は大変です。IFRSアドプションの影響で、毎年のように、会計基準がとっかえひっかえになりますから、たまりませんね。 

★まとめ
 不正会計事件の横行により、原則主義であるIFRSが台頭してきます。上場企業は対応に急ピッチで追われます。なお、個人や中小企業には直接関係ないと言ってもいいでしょう。

 

○ キャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・フローがよくわからないのですが?

実務上は、キャッシュフロー計算書を作成したり、財務分析したりするのに使う概念ですね。公認会計士試験や税理士試験(簿記論)でも「仕訳の推定」や「勘定の復元」、「順進推定」、「逆進推定」として頻繁に出題されます。日商簿記でも1級なら稀に出題されています。
 キャッシュ・イン・フロー(CIF)とキャシュ・アウト・フロー(COF)、あれ?借方?貸方?、仕訳はどうなる?、、、と、頭がごちゃごちゃになって、貸借逆に書いて、計算ミス(ケアレスミス)しそうですよね?
 CIFはその名の通り「資金の流入」で、COFはその逆の「資金の流出」です。「キャッシュ=お金」、「フロー=流れ」です。単純には以下のように暗記しておくと、よいでしょう。

 CIF・イン・お金の流入 → 資産の減少・負債の増加 → 仕訳では「借方」にくる

 COF・アウト・お金の流出 → 資産の増加・負債の減少 → 仕訳では「貸方」にくる

もしかしたら、まだごちゃごちゃするかもしれません。それならば、COFの負債減少にだけ着目して、これだけ暗記しましょう。「借金を返したら、お金が減る」=「COF・負債減少」なわけですから、他のはその逆の関係で導けばどうでしょう。
 よって、借金が増えたら、借金が減ったCOFの逆ですから、CIFだなとなるわけです。
 あるいは、資産が減ったら、借金が減ったCOFの逆ですから、CIFなわけです。
 そして、資産が増えたら、借金が減ったCOFの逆の逆ですから、COFなのです。
 こんな感じで、1個覚えておけば、導けますね。公認会計士や税理士試験、FPの試験で出ても導けますし、反復練習で知らないうちに暗記できますよ。

<例題>
 「当社の借入金は、期首100千円であったが、期末には80千円であった。」さて、C/Fはどうなるでしょう?

答) △20千円

アプローチ)
負債が減っていますね。上記解説でいくと、「借金返したらお金が減った」ですから、お金の流出・COF(貸方)であることがわかります。
なお、キャッシュフロー計算書では、マイナス表記(-または△表記)することになります。

「仮の仕訳をきる」方法も良いかもしれません。

 資産の増加額(↑) / COF

 負債の減少額(↓) / COF

 CIF / 資産の減少額(↓)

 CIF / 負債の増加額(↑)


<練習問題>
それでは、いつでも実践できるよう練習問題を解いてみましょう。メモリー付きの電卓とメモ紙があるとより良いでしょう。
以下問いに対するキャッシュフロー(単位:千円。以下省略。)をお答え下さい。なお、キャッシュインフローとなるときは+(プラス)、キャッシュアウトフローとなるときは△(マイナス)をつけて下さい。


(レベル1)
前期末残高) 支払手形1,500、買掛金 1,200
当期末残高) 支払手形1,700、買掛金 1,100

問)当該年度のキャッシュフロー計算書(間接法)の「仕入債務の増減」に記載すべきキャッシュフローは?

答)
+100

アプローチ)
1:仕入債務全体として当期末残高合計をとります(=2,800)。これをメモリープラス(M+)しましょう。
2:次に前期末合計をとります(=2,700)。 これをメモリーマイナス(M-)しましょう。
3:メモリーリコール(MRC)すると差し引きで+100ということがわかります。これは、つまり、仕入債務が100増えた事を意味します。よって、、、
4:「仮の仕訳」をきります。
  CIF 100 / 仕入債務(負債)の増加 100
5:これでキャッシュインフロー(+100)ということがわかりました。

(レベル2)
当社は当期首に2年間の所有権移転ファイナンス・リース契約を結び、同日よりその機械装置を事業の用に供している。なお、期首において以下適正な仕訳をしている。
リース資産 18,594 /リース債務 18,594
貸手側の計算利子率が年利 5% であることが、借手である当社にも明らかとされている。また、リース料 10,000 の支払は毎期末に行っている。なお、リース料総額は 20,000 である。
当社の保有する同型の機械装置の耐用年数は 2年 であり、見積価額はゼロとしている。
以下、キャッシュフローを求めて下さい。(計算の結果、千円未満になる場合は四捨五入して下さい)
問1)当期の「支払利息」に係るキャッシュフローは?
問2)当期の「リース債務」に係るキャッシュフローは?
問3)当期の「リース資産」に係るキャッシュフローは?
問4)当期の「減価償却」に係るキャッシュフローは?

答)
問1)△930
問2)△9,070
問3)0
問4)0


アプローチ)
問1、問2)
1:まず、期首リース債務(18,594)に利息(5%)を掛け、支払利息額(930)を求めます。リース料 10,000から、仕訳の貸方の合計は 10,000 となります。よって、差し引き残額(9,070)がリース債務の減少額となります。
2:では、「仮の仕訳」をきりましょう。このとき、「単純取引に分解」することがポイントです。伝票会計でいうところの「振替伝票」に書くときのやり方です。
 支払利息 930 / COF 930
リース債務 9,070 /COF 9,070
よって、キャッシュアウトフローとわかります。
問3)
1:問題のところの仕訳から、相手勘定がキャッシュ(現金・預金など)ではないことがわかります。
リース資産 18,594 /リース債務 18,594
2:減価償却が間接法であれ、直接法であれ、「リース資産」の相手勘定にキャッシュがでてきません。よって、当期はキャッシュフローゼロとなります。
問4)
1:減価償却の仕訳をきると、相手勘定がキャッシュ(現金・預金など)ではないことがわかります。
減価償却費 9,297 /減価償却累計額 9,297
2:減価償却が間接法であれ、直接法であれ、「減価償却費」の相手勘定にキャッシュがでてきません。よって、当期はキャッシュフローゼロとなります。

【ちなみに】
問3のフォロー) 会社がなぜ「リース契約」するのかもわかりますね。
一括購入(取得)したとすると当期のキャッシュアウトフローは 18,594 となるはずです。仕訳にするなら、、
機械装置 18,594 /COF 18,594
キャッシュフロー計算書の「投資活動によるキャッシュフロー」として一気に大型投資(△18,594)されたように反映されます。
一方、上記リースを採用すると、「営業活動によるキャッシュフロー」に△930、「財務活動によるキャッシュフロー」に△9,070と分散させた上、一会計期間の負担を下げる事ができます。
経営者の成績は、一会計期間の利益の最大化の追求のみならず、キャッシュフローが結果的に+であることが株主から求められるます。よって、リースで導入できるものなら、リース契約したいことがわかりますね。
もっとも、ファイナンス・リース契約は借金するようなものですから、全体期間(2年間)では、利息相当額(1,406)分、損はしますよ。これも踏まえると、過年度に取得済みの他の投資物件の大量売却などあれば、取得(△18,594)もよいかもしれませんね。当年度の全体的な取引次第でバランスを考えると良いでしょう。

問4のフォロー) 現金の支出を伴わない、費用化として、経営者からは重宝がられます。なんせ、お金がでていかない上に、法人税・所得税のような所得による税金を低くする効果があるからです。
 他にも、「ストック・オプション会計」の「株主報酬費用」、「資産除去債務会計」の「利息費用」が該当してきます。


 いかがでしょう?わかりやすくなったでしょうか。色々工夫できます。これが理解できると、仕訳復元問題、勘定復元問題や順進推定・逆進推定問題にも対応しやすくなりますね。

★まとめ
 CIF、COFは文字通り「お金の流れ」です。お金が入ったか、出たかで単純に考えましょう。

 

○ 売上高(又は値段)に対して売上原価はどれくらいが目安なんですか?

<原価率という概念>
 あくまで目安ですが、一般的に原価率は70~80%とされています。すなわち、原価(売上原価・コスト)は、売価(売上・値段)の7~8割とするということです。
 もちろん業種・業態によって大幅にかわってきます。大企業(製造業)は先程の原価率70%程度ですが、ラーメン屋さんは原価率20%程度ともいわれています。ラーメン1杯800円を160円位でつくっているわけで、当たれば儲けはデカイ!というわけです。

 商品販売業なら仕入れを売上原価とし、人的サービス業なら人件費(販売費及び一般管理費)が売上原価となります。製造業なら製造原価報告書(C/R)の当期製品製造原価が売上原価です。大企業ともなると、直接費としていきなり70%もかかるので、当期純利益ともなるとさらに加減されて、最終的に売り上げの20分の1くらいとなるわけです。もちろん特別損益しだいで大きく変動しますので、一概には言えないかもしれませんが、大企業のモウケといっても実はこんなものなのです。「行列のできる」ラーメン屋さんに比べればちっぽけなものなのです。

<値段の付け方>
 値段の付け方にも触れてみたいと思います。基本的に「売れるかどうか」が判断基準であって、値付けは経営者の自由となっています。法律上の規定というのは特定の業界以外にはないです。「良心的価格」などという言い方がありますが、倫理的なものであって、法規制はありません。
 法規制があるのは、噂の「電力業界」などの「インフラ系」くらいでしょう。なので、その他の一般的な業種・業態であれば、値段の付け方は基本的に自由なのです。
 あと、強いて言うのなら、「独占禁止法」というのがあります。他の業者を排除するために、異常なまでの値引きをしたり、排斥活動などをして、シェアを独占すると違法とされます。しかし、今はモノが売れない時代となり、そんな気合いの入ったモウケ話は最近ききませんね。★この売上原価に関連して、特別な処理をするケースがあります。

<自家消費等について>
 贈与(=他人にタダであげること)や低額譲渡(=他人に著しい割安価格で売る事)、自家消費(=自宅でタダで使う事)の場合、特別な処理を行う事となります。
 「所得税法」では、自家消費等の計算でつかう原価率を70%と固定化しております。すなわち、自家消費等をした場合の確定申告書作成について、当初の値段の70%を「事業所得の総収入金額」に算入しなければならないとされています。あとで税金上負担が大きくなるため、考えようによっては、値段もいい加減にはつけるわけにはいきませんし、また、自家消費等もやたらやると事業として成り立たなくなることがわかります。

 一例を挙げれば、果物や魚類の初競りで、商品1つ10万円が売れ残って自宅で食べる、又はタダでプレゼントしたりしたら、所得税法上、その70%である7万円は売り上げ計上し、課税対象となるということです。このように妙にふっかけた値をつけると確定申告時に自爆するようなこともあり得ます。そして、その自家消費による売り上げ計上を隠避したら、脱税とされペナルティの対象となります。
 よって、適正な価格をつけるべきで、商品1つあたりの売上原価を0.7で割り返した額を「値段」とするのがだいたいの目安でしょう。もっとも、「需要と供給の関係」も重要ですから、これとのバランスで最終的な値付けをします。

このように、「値付け」は、誰にとっても実に悩ましいところでしょう。仲卸市場の魚屋さんや果物屋さん、八百屋さんの値付けは参考になります。客が帰りそうになったら値札の値段をすかさず下げて声掛けしたり、まとめ売りしたりします。脱帽の営業テクニックですから、ぜひ参考にしましょう。

★まとめ
 値段の付け方は自由ですが、自家消費等の場合は注意が必要です。業界全体の原価率から、割り返して値段をつけるのも手です。上手い人の値段交渉を参考にしましょう。

 

○ なぜ社長は株式の上場にこだわるのでしょうか?

●上場することのメリット
・銀行からの有利子負債(他人資本)が減るため、支払利息が減少する
・電子株券を発行(自己資本)するだけで、現金を調達できる。しかも元本は返済しなくてよい
・自腹で個人のお金を資本金としていた社長個人の株式が、上場により株価がついて、莫大な時価総額となり、億万長者となる可能性がある
・知名度があがり、収益拡大しやすくなる。上場自体が広告にもなる
・社会的信頼が得られ、掛け販売などの信用販売が活発化し、仕入・販売がよりやりやすくなる
 などのメリットがあるからです。しかし、一方で、デメリットもあり、自己株式買い上げでみずから上場廃止とする会社も増えてきています。

●上場することのデメリット
・監査法人(公認会計士の法人)から監査をうけなくてはならない
・上場、資本金の大きさにより厳しい法人税・事業税の規定が課される
・社会的責任が大きくなり、IR費用、メセナ、寄付金などのコストがかかるようになる
・株主に支配されているため、経営者の一存で経営方針の大幅変更はできない
・2代目以降カリスマ経営者が出現しにくくなる
・組織が保守的になる

1代で、起業から東証1部上場までした会社の社長はやはり大人物かもしれません。起業して安定化させるだけでも大変ですが、さらに東証の厳しい審査で基準を満たしたわけですから、すごい社長なんでしょう。

 

○ 借入金や債券にも、使い方や調達理由に善し悪しがあるそうですね?

はい。ありますね。
 善かれ悪かれ、借入による入金により、まずは以下のように仕訳されます。

  現金 100 / 借入金 100

 この現金の使い道が問題となります。

●善い借入金
   借入金でも、機械装置を購入するためであれば、間接的に売り上げに貢献するものですから、善い借入金の例と言えるでしょう。
 機械 100 / 現金 100
 減価償却費 10 / 機械 10
 現金 20 / 売上 20
 支払利息 1 / 現金 1
 今後も順調に儲かっていく感じがしますよね。こういう経営がしたいですし、株主もこういう経営上手な会社の株が欲しいのです。

●悪い借入金
   借入金をもって、借入金やその利息を支払っているなら、悪い借入金となります。
   現金 1 / 借入金 1
 支払利息 1 / 現金 1
 これでは、売上に貢献せず、貨幣性資産の裏付けのある売上債権も得られてませんし、なにより、借入金が累積していくだけです。後々、支払利息の金額も大きくなっていきます。
 ところで、この悪い例、どこかでみたことありませんか?

そうです。日本の国債です。
 ギリシャの国債は、この元本と利息の返せない債務不履行(デフォルト)に事実上なったと言えますが、日本もこのデフォルト寸前なのです。非常によくない借入金ということがおわかり頂けましたでしょう。

 

○ 資産は大きければ大きいほどいいんですよね?

そうとも限らないんです。
 大きい事がマイナス評価されたり、税金を多く払う羽目になったりすることもあるわけです。

<流動資産>
●現金及び預金
 一見、多ければ良さそうですが、現金や当座預金はもっているだけでは、全然増えないのです。当座預金には利子がつきません。そもそも、定期預金だとしてもいまの金利は大きくて0.4%程度で、到底、企業としての儲けには到底つながるものではありません。
 株式会社の定款を思い出してみましょう。「営利を追求すること」でしたね?現金のまま抱えているだけでは株主は納得しないんです。せっかく資金調達というから出資したのに運用してくれないわけですから、還付してくれとなるわけです。このように経営者の能力が疑われることになるのです。現金はある程度キープした状態で、配当も支払えているというバランスが大事なのです。

●貸倒引当金
 引当金ですから本来仕訳では貸方に来るはずですが、借方の売上債権の直下など、資産のマイナス項目として表示されます。素人には誤解されそうな表示の仕方です。

●棚卸資産
 材料、仕掛品、製品、商品のことですが、期末棚卸で残ったものを計上します。要するに「売れ残り」で、多いほど株主からマイナス評価される資産です。

●仮払金・立替金
 簿外資産でないだけましですが、貸借対照表にこんな勘定があるだけでなんだか怪しいですよね。そんな不信をかってしまう資産もあります。異様に大きかったら、監査法人は黙ってませんし、税務署もすっ飛んできます。

<固定資産>
●建物・機械・車両
 減価償却でき、売り上げに貢献するならいいのですが、そうでないならムダな資産となります。なにより、固定資産税が賦課課税されますから、ムダな資産なら早いとこ売却か取り壊すべきでしょう。12月位に不動産屋さんが展示ハウスを壊しておくのはコレです。

●破産更生債権
 事実上、破産・倒産した会社にあった売掛金や受取手形の総額です。不渡り、不良債権として、回収交渉をしているということで、今後、貸倒処理して一部、最悪全額切り捨てられたりする可能性が高い資産なのです。

<他にも>
●自己株式
 本来仕訳としては資産側の借方にくるはずですが、資産説ではなく、純資産説をとっているため、現在は資産としては表示されていません。貸借対照表上は貸方にマイナス表示されます。かつては自己株式の保有禁止という法令もあったほどですから、多く持ちすぎると怪しまれますし、上場廃止になるかもしれません。

 

○ お金を支出しなくても、会計上・税法上、費用にできるものはありますか?

固定資産の「減価償却」があります。
 取得原価を毎期計画的に耐用年数の各期間に費用配分するものです。償却方法は、定額法、定率法、級数法、生産高比例法などがあります。会社の経理自由で選択できます。
 優れた点はここからです。固定資産取得時に現金などの支出はありますが、その後、現金の支出を伴わず、毎期、会計上、販売費及び一般管理費などに計上できます。さらに、所得税法(個人事業主)上、事業所得などの必要経費に算入でき、法人税法(企業)でも損金に算入できるため、課税標準の引き下げに役立ちます。よって、個人事業主や企業にはたいへんありがたいシステムなのです。これにより、以下の金融効果が期待されます。

固定資産の流動化
 固定資産の取得原価が、減価償却による費用化され、間接的に売り上げに貢献し、貨幣性資産(売掛金・受取手形)の裏付けのある収益として流動資産となる効果があります。早い話、固定資産が流動資産に転化するということです。長期性の資産でありながら、すぐに投下資本を回収し始められることを意味します。

自己金融効果
 減価償却費はお金の支出を伴わない費用化で、さらに配当や課税がされない部分になるため、減価償却費の累積である減価償却累計額の分だけ、資金の「内部留保(ないぶりゅうほ)」ができるというものです。

 但し、いくら減価償却費を計上しても、それに見合った収益がないと、資金の内部留保にはならず、上記の流動化や自己金融効果は得られません。一定以上、儲けてこそ意味のある減価償却費ということです。
 なお、将来的に収益が見込まれなくなった事がほぼ確実になった場合には、「減損会計」を適用し、帳簿価額の切り下げをすることもでき、特別損失に「減損損失」を計上できます。これは、臨時的な損失計上ですから、計画的・定期的な減価償却とは別モノとして扱われます。

償却性資産である建物、機械、車両運搬具、航空機、船舶、備品、リース資産などの固定資産や、会計上・税法上の繰延資産などに減価償却を適用できます。
 非償却資産である土地や借地権には適用できません。

 

○ 税理士試験にとにかく1科目でも科目合格したいのですが、どうしたらいいですか?

バブル崩壊、終身雇用制度も崩壊で「独立志向」が高まってますね。資格保有者の8割が独立開業ということから、国家資格である「税理士」が、さらに脚光を浴びてきたところです。
 しかし、税理士は指折り数える難関国家資格です。官報合格(≒5科目の科目合格)まで、(専門学校は2~3年としてますが)実質的には5年~10年はかかると言われています。一度目指したは良いものの、1科目でさえも科目合格できずドロップ・アウトする方は数知れません。特に簿記論(ぼきろん)での途中解約者の多さ(第1回講義にいた3分の1が、本試験を受けず、離脱)は受験各校の悩みのタネのようです。ただ、1科目でも取れれば、糸口が見え、「だいたいこれ位学習すればとれる」という次回の目標設定と、なにより「税理士をめざして良かった」という自信がでてきます。

 よって、このページでは、税理士試験、なんとしても「一科目取得!!」をテーマに皆さんをフォローしたいと思います。
 順序良く、説明していきたいと思います。

【1】受験対策校を把握し、すべてのパンフレットを収集する :
 つきなみかもしれませんが、基本です。税理士の専門学校・通信教育等(略称)は以下の通りです。
 ・TAC
 ・大原
 ・ネットスクール
 ・クレアール
 ・大栄
 ・LEC
 が、大手として挙げられるでしょう。他にも地域限定の教室があるかもしれません。これらのパンフレットをすべて収集しましょう。これら学校のHPや玄関先、「大学生協」・「紀伊国屋書店」など書店の資格パンフ配布コーナーにあります。税理士試験の概要と各科目の標準学習時間、そして、各校のサービス(売り)を必ずチェックしましょう。基本中の基本ですが、「大原しか知らなかった!」という人もいましたので、念のためにお伝えしました。

【2】「財務諸表論」を受講する! :
 財務諸表論、通称「財表(ざいひょう)」から、受講し、本試験を受ける事をお勧めしたいと思います。
 各校のパンフレットには「簿記論(ぼきろん)」が基本という趣旨の内容が書いているかと思いますが、当サイトではお勧めしません。上記の「中途解約の多さ」も問題ですが、次の内容が大きな根拠です。
 簿財(ぼざい)、つまり、簿記論と財務諸表論の会計必須2科目を同時に学習する講座・セット割引は多いのは確かです。しかし、「初めて受かったのは財表でした」「財表には受かったけど、簿記論はダメだった」という話をよく聞くからです。税理士になった人の中には、「簿記論から初めて、結局、最後の5年目に受かったのが簿記論だった」と言う人さえいるからです。簿記論は他の科目にはない「逆進」・「推定」のアカデミックな問題を多く含んでいるため、計算が難解になりがちだからでしょう。文化系の人間にはよりキツイかもしれません。

 一方で、「財表」は努力に比例して点が稼ぎやすい科目です。また、「財表」にうかっておくと、後々学習する「税法」に着手しやすいです。当サイトでは、最優先して学習・受験すべき1科目は「財表」であるとして、紹介したいと思います。もちろん、簿財同時に学習できる生活環境なら、類似点が多い科目であり、効率的ですから、簿記論も併せて受講するのもよいでしょう。

【3】「財表」の計算対策 :
 財務諸表論というだけに、「財務諸表」をつくる問題が出ます。貸借対照表と損益計算書を必ず作り、稀に製造原価報告書やキャッシュフロー計算書もつくるといった趣旨です。70分から80分で、中小企業1社分の財務諸表を実際に作ります。実務的で、普段の計算学習は楽しいのではないかと思います。
 なにより、昔から本試験ではオーソドックス(ワンパターン)な問題しか出てきていないため、「パターン化」が可能な点がいいです。受験対策校の出題予想もだいたい当たります。仕訳や流れ、推定問題も簿記論に比較して簡単なものしかでませんから、計算は比較的「ラク」と言えるでしょう。よって、財表の計算は、「総合問題の反復」→「パターン化」→「受験対策各校の直前予想問題」で大丈夫でしょう。★さて、問題は「理論」なんです、、、。これに悩む人は本当に多いです。

【4】財表の「理論」の攻略法 :
 本試験では、計算でしっかり基礎点を稼いだ後(年にもよるが、8割程度は埋めたい)に、40分位で理論問題の解答をします。財表の理論(論述問題)は、近年、難易度が上がってきていると言えるでしょう。難易度が高いという理由は以下の通りです。
 ・かつては、「丸暗記」したものを「ベタ書き(そのまま書くこと)」だったが、今は、理解型の論述形式になってきた
 ・よって、理系人の様な「論理的思考」が必須となる
 ・理解重視の問いにより、どこを学習していいのかわかりにくい(事前の対策が立てにくい)
 ・理論の出題範囲が(名目的にはあるが)事実上ない
 ・各専門学校の予想が大抵外れてしまっている
 ・理論出題者(会計学者)が暗記型・パターン学習を嫌い、近年は意外なところから出題される
 ・難問を解くにしては、40分ではもともと時間が足りず、取捨選択が重要となり、センスも問われる

   これらに対処するにはどうしたらよいのでしょうか?専門学校の勧めるがままの理論学習(とにかく暗記型)ではダメでしょう。
NG例)
 「来週のミニテストまでにこの暗記項目を覚えてきて下さい」と言われて、丸暗記に着手する
 学校の出した「出題可能性ランク表」を真に受ける
 予想に頼る

 学者の求めに応じ、「会計」的な「論理的思考」を身につける。つまり、「→(矢印)」の発想です。会計の考え方を「→」でつなぐ力です。この「→」ができなければ、本試験合格はないと断言できます。暗記だけでは解けない例題を出します。

<第62回(2012年)第2問より抜粋>会計の「評価」に関する穴埋め問題
 会計において評価とは、広義には、( イ )を決定することを指す。「棚卸資産の評価方法として移動平均法を採用している」などという場合には、かかる意味で評価という術語が用いられている。
 一方、狭義の評価は、資産や負債の( ロ )の変動を測定することによって純資産の変動要因を直接的に把握する事を指す。(以下、略)
 「選択肢」
 ( イ )の候補 1.金額 2.勘定 3.期間 4.業績 5.方針
 ( ロ )の候補 A.簿価 B.科目 C.価値 D.期間 E.処理

 答えは、
( イ ) 1.金額
( ロ ) C.価値
でした。
 丸暗記では絶対に対処できません。なぜなら、この文章は「会計法規集」などからの「条文」ではなく、会計学者が作った文章であり、この文章をまるまる暗記させるような対策はどの学校でも不可能であるからです。はたまた、何千パターンも丸暗記するような学習は現実的ではありません。
 なにより、この問題から会計学者である出題者が、会計的な論理的思考を求めていることがわかります。

 <論理的な答えの導き方>
 ( イ )について :
「ヒントの移動平均法と言えば、、」→「商品有高帳で払い出し単価を決める方法だったな」→「払い出し単価から、期末の棚卸高を決めたな」→「棚卸高ってなんだ」→「個数じゃなく、金額だったな」→1.金額 
( ロ )について :
 「ヒントの資産・負債・純資産の変動要因といえば、、」→「学校で資産負債アプローチ(中心観)ってのをやったな」→「資産負債アプローチの目的って何だったっけ」→「企業の価値を明らかにすることだった!」→C.価値

 このように頭の中で「→」の連鎖を組んでいくと答えにたどり着けます。これを養うためには、「講師の言う事をしっかり聴き、筋道のたてかたを理解する」「特に『なぜ?』『どうして?』『○○だから』の理由の連鎖を大切にする」「理論テキストを理解できるまでとことん読み込む」「理論の全体像、個別理論、視点を変えてヨコのつながりもチェックする」「理解の繰り返しをしているうちに、いつのまにか会計用語を暗記できてしまった」「わからないことは、良く考えた上で、早めに講師に質問する」ことです。講師も死線をくぐりぬけてきた人達ですから、様々な体験談があり、役立ちます。遠慮せず、質問しましょう。
 とにかく、「理解」が大事です。本番での「粘り」「底力」も「理解」あってこそです。

【5】受講形態 :
 このページを見てくれているあなたはWEBが利用できる環境にあると思いますので、「WEB通信」をお勧めしたいと思います。

<生授業(実際に学校に行く方式)のデメリット> 一般に専門学校が推奨する方式ですが、やはりデメリットはあります。
 ・大人数がいるため、気兼ねなく質問しがたい雰囲気がある。質問を練っている時間なく、質問しなくてはいけないため、ナンセンスな質問になりがち。
 ・通学しているという安心感があり、油断する
 ・通学時間などがロスになる
 ・飲み会などの勧誘があり、学習の妨げになる(出ないと講師からの風当たりが、、?)
 ・税理士受験と全く関係ないルール(用紙の配布・回収方法など)をわざわざ覚えなければならない
 ・個人情報の管理が微妙(受講票やテストの解答用紙を、会員間の手渡しで回収・配布する講師が、、)
 ・「青い顔」or「イライラ顔」をした「ライバル達」と同じ時間と空間を共にしなければならない(高校や大学とは違います)
 ・タバコくさい人やうるさい人等がいたりしてストレスを感じる
 ・「自習室」にも厳しいルールなどあり、勉強しにくいという意見も(他講座受講の学生などから、電卓の音がうるさいというクレームが。どうやって勉強すればいいんだ!?)

<WEB通信のメリット> WEB通信の方が「合格につながりやすい」と思っています。
 ・わからなかったら、わかるまで巻き戻せる
 ・わかっているところは、1.4倍速で巻いていこう!
 ・メールで質問できるため、マンツーマンで、気兼ねなく質問できる。しかも、質問前に調べ、文章化するため、かなり練った高度な質問ができ、実力がつく。
 通学していないという危機感が、自己管理と学習を推し進める
 いつ、どこででも(職場でさえ?)WEB学習できる
 ・サラリーマン的なお付き合いがなく、学習に集中できる
 ・税理士受験と関係ない「オキテ」がない
 ・個人情報は100%自己管理
 ・無用な人間関係がない
 ・100%学習に専念できる環境をつくりやすい
 ・コスト削減の恩恵で、「総合計算問題集」などを無料でくれたりする

 税理士試験だけでなく、資格は「うかってなんぼ」「結果がすべて」の世界です。よって、「うかる!」ことのみに集中したい方向けに、「WEB受講」をおすすめしたいと思います。

 【6】学校は? :
 こればっかりは、どうしても「好み」や「講師の考え方・話しぶり」、学校のコンセプトと「合う・合わない」などの個人の考え方の差が大きく影響するため、なんとも言えないところです。
 よって、パンフレットを見て、気になった学校の「第1回講義」を体験受講(無料)して、比較検討するのがよいでしょう。ちなみに、9月、1月、5月が一般的に(生授業の)受講開始の月です(WEBなら随時開始可能)。

 以上ですが、このページを読んでくれたあなたの健闘を祈り締めさせて頂きたいと思います。

★まとめ
 税理士試験、まずは1科目として「財務諸表論」を「WEB通信」を利用して狙いましょう! 「理論」が難しいですが、「論理的思考」・「理解」で攻略できます。

  

「あすも」のコンサルティング部門は、どんな案件も

完全予約制・前金制 で 30分 2,200円(税込) でお受けします。

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