所得税・消費税の確定申告に役立つ事業供用割合と案分計算の無料試算アプリありますよ
家事関連費を根拠を示して必要経費と家事費に区分する簡単なアプリです
いやぁ~…お陰様で年末年始を家族と存分に楽しみました~。
本年も「あすも/道明誉裕税理士事務所」を、何卒よろしくお願い申し上げます。
Nさんは、今回の所得税・消費税の確定申告は、年末までに下準備済とのことでしたね。
ところで…
<不動産所得と消費税の課税仕入れに関するヒアリング>
Nさん個人が1棟で所有している不動産物件(マンション・アパートの建物とその敷地)は、賃貸部分と、家族や親族へ使用貸借している部分、そして、1階部分全体はNさんご自身のSOHO(店舗併用住宅)部分として使用されている状態でしたよね。
エントランスや廊下・オートロック・エレベーター・非常階段・ゴミ集積場・インフラ配管・光回線・屋上設備・太陽光発電などの共用部の管理費(清掃メンテナンス代金・保守セキュリティ料金・修繕費・損害保険料・借入金の支払利息・減価償却費・固定資産税)などの家事関連費の按分は、大丈夫そうでしょうか?
<事業所得と消費税の課税仕入れに関するヒアリング>
Nさんは、不動産以外の事業なども手広く経営されていますね。
上記のSOHO (店舗併用住宅) にも、水道・ガス・灯油・電気の使用料や損害保険料・固定資産税・減価償却費があるかと思います。個人名義契約の携帯電話代金やインターネット通信料金などもあるかと思います。
これらの家事関連費の按分も、大丈夫そうでしょうか?
…家事関連費の按分ってなんですか?
上記はどれも、必要な経費なんだから、全額を必要経費に入れていますよ。
租税公課・保険料・減価償却費以外の支払いも、全額を課税仕入れとしています。
全ての請求書・領収書の宛名を屋号で記載してもらっていますので、大丈夫でしょ?
必要な経費…
お気持ちはわかりますが…
家事関連費の場合、根拠無く、全部を必要経費に算入するのは、マズイかもしれませんね…。
なんですと?
使用面積・使用時間・利用度などの明確な根拠による事業供用割合で、必要経費に算入できる部分と家事費(切捨て部分)部分に区分する必要がありそうですね。
Nさんの事例の場合、根拠無く全部を必要経費に算入すると、確定申告後の税務調査等で否認される恐れがあるかと思います。
項目 | 懸念ポイント | 按分方法 事業供用割合の算定方法 |
不動産の共用部の 共通経費 | 主に賃貸部分かとは思いますが、使用貸借の部分やNさん自身の居住部分が混在していますね。 共用部の経費の全額を必要経費にするのはマズイかもしれません。賃貸部分の面積によって按分すると良いかと思われます。 | 面積按分 (建築図面・賃貸借契約書などから算定) |
1階のSOHO部分 | 店舗併用住宅ですから、店舗部分と自身の住宅部分とに区分する必要がありそうですね。 リビングや玄関・廊下を店舗併用としているような場合、店舗併用部分の面積だけでなく、店舗として使用する時間も考慮する必要がありそうです。 | 面積按分、かつ、時間按分 (50㎡/100㎡×8h/24hのように算定) |
携帯電話・インターネット | 業務で使いますが、プライベートでも使うかと思います。 時間的な按分が必要そうです。 | 時間按分 (8h/24hのように算定) |
(*)上の表は、「あすも/道明誉裕税理士事務所」が考える按分の例のひとつにすぎません。他の税理士に相談すると別の按分方法が示されるかもしれません。細かい按分方法は、税理士の選択次第で十人十色ではありますが、「按分が必要」という点では意見が一致するかと思いますよ。
う~む、そうですか~…。
家事関連費について、全額を無条件にそのまま必要経費に放り込むのはNGそうですね。
…とは言え、税法上の根拠を知りたいです。
いつも通り、やさしく税制の解説をしてもらえますか?
まず、所得税法45条によって、原則として、家事関連費は必要経費不算入とされます。
そもそも必要経費に一切入れられないとするところから、理論が始まります。
(家事関連費等の必要経費不算入等)
第四十五条 居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
一 家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの
(以下、略)
引用 : 所得税法45条(抜粋)
しかし、家事関連費には、事実上、業務に関係する部分も含まれていることが多いかと思います。これを問答無用に切捨てとなりますとあまりに非情ですし、誰も確定申告をしたくなくなるかと思います。法人との課税の公平・バランスもとれませんよね?
そこで、業務に直接必要な部分の金額として、明確な根拠で示されるのであれば、その部分を必要経費に算入できるという法令解釈通達もあります。
(業務の遂行上必要な部分)
45-2 令第96条第1号に規定する「主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち当該業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定するものとする。ただし、当該必要な部分の金額が50%以下であっても、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、当該必要である部分に相当する金額を必要経費に算入して差し支えない。
引用 : 法第45条《家事関連費等の必要経費不算入等》関係 法令解釈通達
よって、明確な根拠から事業供用割合を定めて、必要経費と家事費に按分計算して、明確に区分するなら、必要経費に算入しても良いということになりますよね。
建築図面や使用時間などの大元の資料と、事業供用割合の算定根拠資料などは、確定申告書とともに保管しておくと良いでしょう。
なるほど、納得ですっ!
分ける根拠を明確にするなら良いということですね。
ところで…、家事関連費を、根拠を明確にして、必要経費と家事費に区分したいので、セルフチェックができると良いのですが、無料の試算アプリとかお願いできますか?
無料試算アプリ! 良いですね。
私もプロの税理士として活用したいです。
すでに制作・公開済ですよっ!
ご活用ください。
アプリの使用方法
ホームページ上で稼働する判定アプリです。ダウンロードする必要はございませんので、ご安心ください。その分、多少の文字化けがあると思いますが、ご容赦ください。プログラムの中身そのものを見ることができる形式としております。
「▶Run」を押して、はじめて頂くと、右側の「Result」の画面(インタプリタ)に質問や解説などが出てきます。カーソルにマウスを合わせ、質問される項目について入力ください。自動的に場合分け計算がされます。
半角数字、整数で入力の上、「Enter」で確定してください。自動的に判別され、結果が出ますよ。
それでは、アプリを御利用ください。
アプリです。「▶RUN」で質問が始まります↓
*「trinket」のクラウド連携の関係で、表示がされなかったり、プログラミング作動不良が起きることが確認されております。「リロード🔄」などですぐに修正されるケースがほとんどですので、トライしてみてください。
*「枠」をずらすことができますので、見えにくい場合には調整してみてください。
結果はいかがでしたか~?
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(*)確定申告の「受付」・「料金」・「ご予約」に関するご相談(=カジュアル面談)は、30分間無料のWEB面談をご利用いただけます。なお、本題となる「税務相談」そのものは、有料となりますのでご留意ください。
各種税制に関する具体的なご相談サービス一覧
当オフィスでは、税理士5.0+技術者として、各種の税務に関するサポートをしております。総合的な事前対策支援や、高度な税務に関する税務相談・申告代行などを随時受け付けております。30分無料WEB面談実施中ですので、お気軽にお問い合わせください!
具体的なサービスはこちらに記載しています。
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