「税理士」とは、なにか? 税理士制度・歴史・経緯など ~あすもメモ~
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「税理士」の税理士制度・歴史・経緯などについて解説します。
「税理士」って、いつ頃に発祥したのですか?
税理士会の資料などに基づいてお答えします。
明治時代中期に、行政機関である「税務署」が発足されたのに対して、「税務代理業」・「税務代弁業」などとして、 自然発生的に発祥したそうです。
自然発生的とは、どういうことですか?
民間業者が自由に始めたという意味ですね。
地租改正(今で言う固定資産税のような税制の改正)を経て、富国強兵や日清戦争・日露戦争などの戦費調達等のため、行政も税収確保にさらに力を入れるようになってきました。当時は、基本的に申告納税制度ではなく、賦課課税方式が中心だったそうです。つまり、行政側が土地の面積などを根拠として、一方的に税額を決定するという考え方ですね。そうなりますと、納税者となる市民側は圧倒的に不利となってしまいます。
よって、市民側も、税務・税制に詳しい人をたてて、できるだけ税額を下げるような交渉を個別にするなど、代理人の必要性が出てきたわけです。
現在と異なり、明治中期の税務代理人は、国家資格や免許、登録など一切なく、民間業者が自由に開業していたそうです。
ちなみに、大阪・京都を中心に全国へ広がっていった様子です。
資格・免許・登録なしとは、大丈夫だったのでしょうか?
お察しの通り、資格・免許・登録なしですので、トラブル等も多々あったそうです。
現在でも、悪質な周旋業者・税理士マッチングサイト等の暗躍や、ニセ税理士問題があり、税理士会でも度々議論されておりますよね。
よって、税収は、今も昔も国家の重要な事案ですから、明治時代から昭和時代にかけて、資格・免許・登録制に徐々に切り替わっていきました。
国家からのお墨付きを得て、税務代弁業も、信用・信頼される組織に変化していきました。
そうなると安心して依頼できるようになりますよね。
現在の「税理士」という呼び名は、いつ頃できたのですか?
第2次世界大戦・敗戦の戦後処理として、アメリカのGHQ・シャウプ勧告により、現在の「税理士」の呼び名と税理士制度の原型ができました。
一般に、税理士制度は、シャウプ勧告をもってスタートと考えます。よって、令和3年の現在、税理士の歴史は、およそ70年くらいになるというわけですね。同時に、税理士会も、歴史有る公的組織と言えます。
税理士試験は、年1回実施されてきましたが、令和3年度にて第71回となり、国家試験としても半世紀をはるかに超える長い歴史がありますよね。
なぜ、外国(アメリカ・GHQ)の勧告によって、税理士制度が生まれたのでしょうか?
日本が独自に生み出したシステムではないのですか?
残念ながら、他国の勧告から生まれたものです。
戦前・戦中は、賦課課税方式が中心でした。
国家や行政のご都合で税額が決定するシステムですが、戦費調達なども主な目的としていたため、結果的に、戦争の勃発や、戦争の長期化などにつながってしまいました。
また、行政が税額を全て決めてきたため、誤った税額でそのまま何十年も適用されてきたということも多々あったそうです。租庸調や検地、地租ほどではありませんが、いいかげんな扱いもあったそうです。これについては、現在も、固定資産税などで度々指摘されている内容でもありますね。
よって、戦後処理の際のGHQの調査により、申告納税制度の強化の必要性が指摘されることになりました。
申告納税制度の強化のため、行政と納税者の間に入り、公平・公正な税務を行う税理士の存在が必要となりました。これにより、税理士法・税理士制度の制定が急ピッチに行われたわけです。
その後、税理士や税理士法は、どのような経緯をたどってきたのですか?
税理士法は、時代に合わせて様々な改定を何度も繰り返し、現在の形へと変化してきています。
・税理士試験の内容や資格の付与、登録などに関する改定
・税理士の職権・禁止事項・罰則に関する改定
・税理士法人の誕生
・電子申告など税理士業務の合理化に関する改定
・その他時代のニーズにあった改定
もちろん、これからの未来においても、税理士法を改定し、時代に合わせていくことでしょう。
DXに関する内容を盛り込む意見も多数出ていますよね。
なるほど、時代に合わせた都度の改定が、税理士の信用・信頼を確立する法的な源泉になっているのですね!
安心して税理士さんにお願いできますね。
そうですね!
税理士会の令和3年の標語は、「その声に、税理士。」です。
私たち、税理士にお任せください!
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