「令和4年度税制改正大綱」をSNSマンガ風考察(第5話)「税理士試験」受験資格要件緩和と今後の税理士業界
*留意事項・免責事項について同意頂いたものとみなして御利用頂いております。
まず最初に、受験者数の減少傾向について触れます

令和3年12月10日(金)与党(自民党・公明党)より、令和4年度税制改正大綱(正式名)が発表されました。
さて、今回の第5話では、「税理士試験の受験資格要件緩和」の改正案について触れますので、一緒に考えていきましょう!
個人的な意見や見解・分析結果なども多々交えますが、SNSマンガ風に楽しく理解していきましょうね。
(*税理士の先生からのご意見やご見解も募集します!)
話数 | 各話の「あらすじ」 |
第1話 | 税制大綱(通称)の「そもそも論」に触れました。 税制大綱ってなんぞや?という方は、まずこちらをご覧いただきますと、理解が早いかもですね。 |
第2話 | 「住宅ローン控除」の改正案と、その試算アプリについて触れました。 |
第3話 | 「マイホームの譲渡損」の改正案と試算アプリについて触れました。 |
第4話 | 「住宅取得等資金の贈与税非課税」の改正案と試算アプリについて触れました。 |
「令和4年度税制改正大綱」は、自民党のホームページにて、PDFファイルとして公開されております。ご興味ある方はこちらをクリックしてください。新しいタブで開きます。リンク先のご都合により、将来的にリンク切れするかと思いますので、ご承知おきください。

私はサラリーマンです。
終身雇用制度は既に崩壊してますし、副業・兼業・転職が当たり前の時代になりつつありますよね。
なにか新しいスキルをつけなければ…と考えており、税理士を目指すかどうか考えています。
税理士試験の受験者数はどうなっていますか?

令和3年12月17日(金)に、令和3年度(第71回)税理士試験の結果が発表されましたね。
官報合格者の氏名の発表や、一部科目合格者数も含めた人数・割合の発表だけでなく、受験者数(実人員)の確定値も公開(*)されました。
(*)国税庁HPです。リンク先のご都合により、将来的にリンク切れするかと思いますので、ご承知おきください。

ここ10年くらいは、税理士試験の受験者数がずっと減り続けてきていましたよね。
税理士会や税理士業界でも問題視され続けてきましたよね?

令和3年度だけ反転して、六百人程度の多少の増加がありました。
国税庁HPの受験者数(実人員)の確定値を基に、「あすも/道明誉裕税理士事務所」が独自に作成した以下の表・グラフをご覧下さい。

なぜ、ずっと受験者数が減り続けてきたのでしょうね?
人気や魅力が低下してきたということでしょうか?

減少の原因に関しては、アンケート結果や調査結果などの存在が確認できませんが、以下のような通説をよく耳にしますよね。
・少子高齢化や生産年齢人口減少の影響か?
・記念受験者が減り、実は精鋭化されている?
・AIに仕事が奪われるとの報道等があったから?
・ハラスメントや、丁稚奉公のような古い体質など、職場環境に問題が?
ほかにも、年収水準の低下・大きくは稼げない職業へと変わりつつある・自由業から巨大組織化への動き・サラリーマン化の傾向なども話題にあがることがありましたね。

マイナス要因よる通説が多かったように思います。
税理士を取り巻く環境が厳しくなってきている様子が、受験者数という数字でも表れたのかもしれませんね。(*これは私個人の見解です。)

う~む、そうですか~。
では、令和3年度だけ反転して、六百人程度増加したのは、どういうワケでしょうね?

令和3年度の増加原因についても、アンケート結果や調査結果などの存在が確認できませんが、以下のような通説を耳にしますよね。
・コロナ禍による経済の問題や雇用情勢悪化の影響か?

税理士のスキルや資格は、様々な場で活用できるかと思います。開業や職位などにこだわらなければ、比較的他の業種よりは食べていきやすい職種だと思います。
コロナ禍では、他の業種の雇用環境の厳しさの方が突出した関係で、税理士へ一時的に人気が戻ったような感じかもしれませんね。
なお、税理士試験受験者数は減少傾向の一方で、税理士登録者数は増加の一途をたどっていますので、こちらも今後の参考にしてください。

そうですか~。
税理士を目指すかどうか、税理士業界に転職するかどうか慎重に決めたいと思いましたが、判断材料の参考にはさせていただきます。なんにしても、覚悟が必要ですね。
本題のR4税制大綱「税理士試験」受験資格要件緩和について

私は高校生です。
租税教室という授業が学校であり、税理士という職業を知りました。
簿記の勉強もまだ始めていませんが、今後の進路として税理士を目指すかどうか考えています。
税理士試験を受けたことがないので、敷居もハードルも高いイメージがありますが、すぐに受験できるのでしょうか?

Aさんの場合、現行の税理士試験受験要領としては、すぐには受験できない状況にあるかと思われます。
ところで、令和3年12月17日(金)に、令和3年度(第71回)税理士試験の結果が発表されましたね。
このタイミングに合わせて、R4税制大綱の「税理士試験の受験資格要件緩和」の改正案について取り上げたいと思います。
Aさんのお悩み解決にも役立つ情報かと思いますよ。

R4税制大綱の記載をそのまま引用します。
(6)税理士試験の受験資格要件の緩和
税理士試験の受験資格について、次の見直しを行う。
① 会計学に属する科目の受験資格を不要とする。
② 大学等において一定の科目を修めた者が得ることができる受験資格について、その対象となる科目を社会科学に属する科目(現行:法律学又は経済学)に拡充する。
(注)上記の改正は、令和5年4月1日から施行する。
自民党 令和4年度税制改正大綱 p83 より一部引用

日本税理士会連合会が、自民党への陳情等によって通した改正案です。自民党が飲んでくれたということでしょうね。上記で取り上げたように、税理士試験の受験者数の減少傾向への危機感からくるもので、特に若い層を取り込みたいという思惑です。
特に、「①会計学の受験資格不要」は、簿記論又は財務諸表論から受験するなら、いつでも・誰でも・何歳でも受験可能となるわけですから、規制緩和の大きなインパクトになるかと思います。特に、大学入学前などの若い人の場合、これまでは、日商簿記1級などの合格証書を初回の受験資格とした方も多かったかと思いますが、改正後はこれが不要となるので、若い人の受験者数が増えていくことが予想(期待)されますね。さらに、受験2年目からは、仮に1年目に簿財不合格だったとしても、税法受験にもチャレンジ可能と読み取れます。
「②社会学に属する科目に拡充」についても、税法を先に受験したい人へのある程度の規制緩和となるかと思います。

令和5年4月1日からですので、来年の令和4年度試験には間に合いませんが、再来年の令和5年度試験には間に合いそうですよね。
遠回りせずに受験できるのが良いですよね。1年半くらい時間がありますので、簿記論・財務諸表論のインプットを始めるのも良いのかもしれませんね。

税理士試験の受験のためだけに、ムリに法律系や経済系の大学を選ばなくて良い様子ですし、回り道して日商簿記1級受験から始める必要もなくなりそうですね。ハードルが下がった感じがします!
1年半後の令和5年度税理士試験の簿記論と財務諸表論からトライするために、学校通学の傍ら、専門学校や通信教育で勉強してみようかな?

税理士業に興味を持ってくれる人が増えそうですね?
最後に、税理士試験の受験希望者など、みなさまへのメッセージは、ありますか?

税理士試験受験開始のハードルは下がりそうですので、税理士会の思惑通り、受験者数は自然に増加するかもしれません。
だからと言って、「税理士を目指してください・ガンバってください」とまでは、私個人としては無責任には言えませんので、強調しておきますね。税理士を取り巻く環境は、年々厳しくなってきていることを肌で感じているからです。

受験からの官報合格を狙うと10年以上かかる場合もあります。丁稚奉公とハラスメントの職場環境に耐えながらの夜学の受験生活は、人によっては暗黒時代そのものかもしれません。途中で諦める人もたくさんいました。
また、その後の開業や顧客開拓も踏まえると、イバラの道であり、苦難の連続かと思います。中小企業の数は減り続けていますが、税理士登録者数は増え続けています。まさにレッドオーシャンであり、もしかしたら斜陽化もしているのかもしれません。
公人に近い存在になるので、ある意味で芸能人よりもプライバシーが守られない場合もあります。怪しげなヘッドハンターや周旋業者・マルチ商法業者などから、昼夜・仕事中問わず、突然、電話・Eメール・封筒などが来たりもします。
税理士だけが唯一の職業というわけではありませんので、ムリに選択する必要はないと思います。

しかし、税理士は魅力にあふれた職業だと思っています。世間からの評価や期待・仕事の範囲や質も高まりますし、なによりビジネスマンとしての自信につながります。開業や職位などにこだわらなければ、よほど素行が悪くない限り、食べていくのには困らないかと思います。
全部飲み込んで、覚悟を決めて、それでも税理士なりたい・税理士になったという方は、もちろん大歓迎ですし、一緒に仕事ができたら素敵ですよね!
税理士業界に関わる道とそれ以外の道があるかと思いますが、それぞれの道に、自己で責任をうけとめる覚悟とヒューマンドラマがあります。どのような形であれ、みなさんといつかお会いし、お話しできる日を心から楽しみにして、連絡をお待ちしております!
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