税金どうでしょう?「LGBTカップル同性婚や、事実婚・内縁など、【税制上の配偶者】と認められるか否かで税額が変わるものにはどんな制度がありますか?リストアップ・適用要件・今後についてもお願いします。」

留意事項・免責事項について同意頂いたものとみなして御利用頂いております。

SDGs10

日本はマイノリティ(少数派)に冷たい国であると、世間では一般に言われています。東京オリンピック・パラリンピックなど国際的なイベントの予定もあり、ダイバーシティ(多様性)やSDGs(持続可能な開発目標)に関する各団体の活動も活発になってきていますね。世界では、すでにダイバーシティ・SDGs対応が進んでおりますが、こと、日本の税制はどうでしょう?

LGBTカップル同性婚や、事実婚内縁など、【税制上の配偶者】と認められるか否かで税額が変わるものにはどんな制度がありますか? 配偶者に関する優遇税制の主なものをリストアップして教えて下さい。

また、今後税制はどうなりそうなのか、税務当局の考え方や研究内容などもあれば教えて下さい。

答え)主に、所得税・住民税、相続税・贈与税に「配偶者」に関する優遇税制があります。現状「戸籍」の有無が適用要件ですが、税制当局も研究課題としている様子です。

あすも代表

主に、所得税・住民税、相続税・贈与税に「配偶者」に関する優遇税制があります。現状「戸籍」の有無が適用要件ですが、税制当局も研究課題としている様子です。

税理士の道明です。
税理士の道明です。

所得税・住民税編 配偶者の優遇税制

あすも代表

所得税・住民税編です。税制上の配偶者として認定されるか否か税額に影響してくる可能性があるものをリストにしました。かなりの数がありますので、所得税の概要のみを列挙し、他の詳細は割愛することにしました。住民税については適用金額こそ所得税と異なりますが、項目としては所得税と同じ考え方をしますので参考にして下さい。さらに詳細が知りたい方は、国税庁HPへのリンクをつけておきましたので、そちらでも確認できます。例外もありますので、実際の申告書作成などの場合には、税理士に相談してくださいね。

名称「配偶者」と認定される場合の所得税の概要(*例外もあるので応相談)(参考)制度の詳細は国税庁の記述で確認ください
白色事業専従者給与最大86万円を必要経費に算入No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除
青色事業専従者給与届出と実際の支払い分を必要経費に算入No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除
雑損控除配偶者の財産滅失分も所得控除に算入No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
医療費控除配偶者のために医療費を負担した分を所得控除に算入No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
社会保険料控除配偶者のために負担した健康保険料などを所得控除に算入No.1130 社会保険料控除
障害者控除配偶者が障害者の場合最大75万円を所得控除に算入No.1160 障害者控除
寡婦控除ひとり親ではない寡婦で死別・離別の場合の適用ありNo.1170 寡婦控除 (寡夫控除は廃止されました)
配偶者控除最大48万円を所得控除に算入No.1191 配偶者控除
配偶者特別控除配偶者控除にならない場合でも一定の場合に所得控除No.1195 配偶者特別控除
所得税・住民税編「税制上の配偶者の優遇税制リスト」

相続税・贈与税編 配偶者の優遇税制

あすも代表

相続税・贈与税編です。税制上の配偶者として認定されるか否か税額に影響してくる可能性があるものをリストにしました。さらに詳細が知りたい方は、国税庁HPへのリンクをつけておきましたので、そちらでも確認できます。例外もありますので、実際の申告書作成などの場合には、税理士に相談してくださいね。

名称「配偶者」と認定される場合の相続税の概要(*例外もあるので応相談)(参考)制度の詳細は国税庁の記述で確認ください
法定相続分相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分です。No.4132 相続人の範囲と法定相続分
基礎控除法定相続人の数に算入されると基礎控除が600万円アップしますNo.4152 相続税の計算
配偶者の税額軽減巨額の減税効果があります。戸籍謄本などの添付を要します。No.4158 配偶者の税額の軽減
配偶者居住権近年できた制度で、減税というより、住み続ける権利に関するものです。No.4666 配偶者居住権等の評価
小規模宅地等の特例巨額の減税効果があります。居住用につき配偶者には取得者要件なく優遇No.4124 小規模宅地等の特例
相続税編「税制上の配偶者の優遇税制リスト」
名称「配偶者」と認定される場合の贈与税の概要(*例外もあるので応相談)(参考)制度の詳細は国税庁の記述で確認ください
配偶者控除巨額の減税効果があります。戸籍謄本などの添付を要します。No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
贈与税編「税制上の配偶者の優遇税制リスト」

適用要件について/現状「税制上の配偶者」は「民法上の婚姻関係」=「戸籍の届出」

あすも代表

税制上の配偶者」は、現状では「民法上の婚姻関係」とされております。

国税庁タックスアンサーには以下明記されております。

いわゆる内縁の妻は配偶者控除の対象となりますか。

配偶者控除の対象となる配偶者とは、民法規定により効力が生じた婚姻に基づく配偶者をいいます。いわゆる内縁の妻など、事実婚の相手方は、このような民法の規定による配偶者ではありませんから、配偶者控除の対象とはなりません。(注)外国人で民法の規定によれない人については、法の適用に関する通則法の規定によることになります。(所基通2-46)

引用 : 国税庁タックスアンサーNo.1191 配偶者控除 Q1

所得税法には以上のように明記されており、相続税法も民法をベースにしますので、同様と考えられます。

民法の婚姻に関する記載は以下の通りです。

(婚姻の届出)第七百三十九条

婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。

 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

(婚姻の届出の受理)第七百四十条

婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条から第七百三十七条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。

(外国に在る日本人間の婚姻の方式)第七百四十一条

外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合においては、前二条の規定を準用する。

引用 : 民法

具体的には、市町村役場戸籍課にて婚姻届提出届出)し、受理された後の関係を指すものと思われます。

提出していない関係、受理されなかった関係ですと、現状では、税制上の配偶者とは認められず、上記のリストに挙げた優遇税制を受けることができないとも解釈できます。

税務署は、戸籍をマイナンバーで紐付けて配偶者関係をチェック?

あすも代表

配偶者であるかどうかを確認するために、税務署はなにを用いてチェックするのでしょうか?

最終的には「戸籍」配偶者であるかどうかのチェックをしているものと思います。そして、所得税申告書や相続税申告書などには、配偶者の「マイナンバー」を書く欄がありますので、これによって、居住者本人と配偶者の関係が紐付けられるわけです。

やはり、事実婚ですと、仮に「(実質的には)配偶者」であるとムリに記載したとしても、マイナンバーと戸籍で関係性がすぐにわかります。よって、民法上の配偶者ではないとされ、優遇税制が受けられないというのが現状の様子です。

今後は変わる可能性も?課題として研究はされている様子です。

あすも代表

税務当局側も、課題として問題視しており、以下のように研究している様子です。

所得税法上の「配偶者」の範囲 

3 結論 

 事実婚や同性婚といった課題については、私法上の対応(例えばパートナーシップ制度の創設等)に併せて所得税法も対応するというのが妥当である。

(略) 主要国では、この課題を解決するためにパートナーシップ制度を創設することなどで対応しており、所得税もそのパートナーシップ制度のパッケージの一部となっている。

 こうしたことから、我が国においても、同様の制度を創設するという流れになった場合には、当該制度に基づきパートナー関係になり相互扶養義務が課せられた者(パートナー)を配偶者と同視し、配偶者控除の適用を認めるという改正を行うというのが最も望ましい対応であると考える

引用 : 税務大学校 研究活動 所得税法上の「配偶者」の範囲

「同様の制度を創設するという流れになった場合」に注目です。逆に言えば、まだ日本ではその流れにはなっていないとも解釈できます。

SDGs10

市民活動、議員や政党への陳情、声を上げることも大切ですよね。税制は国会で決まります。国会議員の選挙でこれらを推進してくれる政治家を選ぶのも手段のひとつです。選挙に行きましょう!

皆さん次第でいくらでも未来は良くなりますよっ!

SDGs10でダイバーシティを
SDGs10でダイバーシティを
あすも代表

今後の税制改正で、もしかしたら、リストに挙げた配偶者の優遇税制が受けられるようになるかもしれませんね。注目しましょう!

税理士も社会起業家ですので、この問題を取り上げてみました! 支援や相談、申告なども行いますので、お問い合わせください。

具体的なご相談サービス一覧

あすも代表

当オフィスでは、税理士として、税務相談や各種サービスを随時受け付けております。

お客様のために知恵を絞ります!
お客様のために知恵を絞ります!
あすも さくら

具体的なサービスはこちらに記載しています。

お客様のためにさらに研鑽します!
お客様のためにさらに研鑽します!

お問い合わせ

お問い合わせやご希望につきましては、以下の「お問い合わせフォーム」より送信ください。

「フォーム」に必要事項を入力頂き、規約に承諾・同意の「チェックマーク」の上、「送信」ボタンを押すことで、「あすも」までメッセージが届きます。

あすも さくら

24時間・365日、いつでも受付しております。

あすも 代表

遠慮無く、お気軽にお問い合わせください。内容確認の上、「あすも」代表よりご連絡差し上げます。